千葉大生が教える!「新世代職業ガイド」2013

千葉大学教育学部「キャリア教育」(2013・前期)では、ワークライフバランスなどに代表される、「新しい働き方」が求められる時代のキャリア教育のあり方について学びつつ、実際に「新しい働き方」に関するお仕事をされている方への取材活動を行っています。このブログでは、取材内容を、主に中学生を読者と想定した記事としてまとめ、発信をしていきます!

カテゴリ:2013 > 異文化との共生にかかわる仕事

《テーマ》異文化との共生にかかわる仕事
《取材先》ブリティッシュ・カウンシル 英語講師 スティーブン・ジャービス
《メンバー》篠崎伸子 山本愛 加藤彩 小菅貴彦


私たちのグループは「外国の方がどんなことを考えながら日本で仕事をしているのだろうか」という理念のもとブリティッシュ・カウンシルという企業のスティーブン・ジャービスさんにお話を伺ってきました。

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まず最初に「ブリティッシュ・カウンシル」という会社がどういう会社なのかを説明します!(`・ω・´)
〇ブリティッシュ・カウンシルは、教育機会と文化交流を目指す、英国の公的な国際文化交流機関です。1934年より世界中で活動を広げてきました。現在は、日本を含む世界100以上の国と地域で190以上のオフィスを展開しています。 (http://www.britishcouncil.jp/about引用)
                             
教育という分野でたくさんの国とつながっているみたいですねΣ(・ω・ノ)ノ



では、本題ということでスティーブンさんの話に触れていきたいと思います!(*^・ェ・)ノ



疑問① 仕事内容は何ですか?!
→おもに、子供(中学生)に英語を教えている。もちろん大学生にも。また、月に一度ブリティッシュ・カウンシルでミーティングがあり、情報交換などをしている。また、年に一度全スタッフが3日間に分かれてミーティングをする場が設けられている。そのうえ、年度末には今までの教え方をフィードバックし向上させていくためのミーティングがある。

★ミーティング多い!!!!!









疑問② 仕事で苦労すること(日本で仕事するにあたって)は何ですか!?
→日本語の英語教師と教え方であわないことがあり、互いにフラストレーションを感じることがある。特に日本では教え方が違う。生徒に対して厳格で、何でもかんでもコントロールしようとする先生とはうまくいかなく衝突することもある。私は英語はリラックスした環境でこそ伸びると考えているし、生徒の活動が多い授業を組み立てたいと考えている。

★やはり、日本と諸外国では考え方が違うのか…個人的にはこの話では日本のやり方は好きじゃないな(*`Д')




疑問③ 仕事で満足していることは!?
→日本に長くいるので、新しく日本に来たばかりの外交人スタッフを助けられること。日本暮らしていくことは、我々外国人にとって、とても快適だ。

★すげーやさしい。思いやり強いなぁ…自分もこんな大人になりたい!!(´・ω・`)





疑問④ なぜ日本にきて働こうと思ったのか!
→10歳~15歳のころ、日本の文化(食、雑誌、趣味、ビデオゲーム)に興味を持ったのが日本に興味を持ったきっかけ。そして、たまたま日本で働くチャンスがあるのを知り、9年前に日本に来た。


★子供のころから日本に興味があったとは、すごい……w(゚o゚)w オオー!




今後の展望・夢は?!
→大人を教えることが今では興味がある。大学などで大人に教える機会を増やしていきたい。私は大学ではグラフィックデザインを専攻していたので、授業で使うプリントや教材などで内容はよいのにデザインがいまいちなものを、さらに良いものに造り替えていきたい。こういった技術をもっと教育に取り入れていきたい。

★内容だけでなくデザインにまで……我々大学生も広い視野で物事を見るべきだなぁ(; ̄Д ̄)




千葉大生・中学生へのアドヴァイスをお願いします!
先生が話をしているときは集中して聞きましょう。そのうえ授業だけを頼りにするのではなく自学自習の精神を大切にしましょう。また、本をたくさん読みましょう。たくさんのことに興味を持ちましょう。

★やっぱり本は読むべきやな!…よし、私も読もう!!!(`・ω・´)





※最後にスティーブンさんから一言!
Don't be afraid to make a mistake.(間違いをすることを恐れるな!!!)



ではでは最後にスティーブンさんの笑顔で終わりましょう(*・ω・)ノ
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異文化B班
【テーマ】異文化と関わる仕事
【取材先】森山たつを さん(海外就職研究家)
【メンバー】福島嵐 松本美保 ギミルハリパラサド 森川大地


私達の班は日本人が海外で働くことに詳しい森山たつをさんから、多様性のある働き方についてお話を伺いました!

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海外で働くなんて、エリート!という印象がありますが、森山さんは「以前は存在してもアクセスしにくかったけれど、今では機会は増えており、普通のサラリーマンに海外で就職するという選択肢もありますよということを示したい」と話してくれました。

さて、海外での仕事というのは、どのようなものなのでしょうか?
それを知るためのキーワードは、「日本人の特質」と「専門性」!
では特に専門性のない日本人をイメージしてみましょう。
日本語が話せて、真面目な気質を持っています。寿司という食べ物がどのようなものかよく理解しています・・・このような人には、コールセンターや日本食レストランで働くという道があります。しかし他の仕事はあまりないそうです。
日本で数年働き、業務についての知識がある人は、その経験を生かして働ける可能性があります。売りたいものがある現地企業と取引をしたい日本企業の間に入って業務を円滑に進める役割を担うなどの仕事があるそうです。

また、「日本人の特質」については、日本にいると当たり前のこととですが、時間を守る、品質管理やお金の管理などで規律を守るという気質は海外に出ると一つの価値になる!ということも教えて頂きました。

業務や業界についての知識・経験などの「専門性」もその人についての大きな価値です。
そのため森山さんは、新卒ではなく、3年ほどは日本で働くことを勧めているそうです。
加えて、英語や現地語の語学力があればなお良しです!!

なぜ専門性が必要かというと、ビザの下りないという問題があります。
森山さんが今東南アジアを中心に活動している理由は、東南アジアがどんどん経済成長しているから。
他の先進国は経済の停滞で、外国人向けの仕事はなかなかありません
それは自国民の雇用を守るため、ビザの発行が厳しいためです。
森山さんは、今後はインドがどんどん経済発展する。経済成長している国と取引したい企業は多くなるが、現地の文化を知り、仲介してくれるような人はなかなかいない。そのような国で、貴重な存在の人間になれたら仕事の幅が広がる・・・
だから「人と違うことをしよう!」と言っていました!


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文化の違いに悩むことも
例えば製造業では、時間を守らない現地の労働者と、納期に厳しい日本の取引先との板挟みになって大変な思いをすることも・・・
また、宗教をとても大切にする文化の国では、お祈りの時間は仕事を中断せざるを得ず、はじめは驚くことも多いそうです。


お給料が違うのでは
日本で働いていると、勤続するにつれて給与も高くなることが予想できます。
日本で多くの給与を受け取っている人が海外転職する場合は下がる可能性があるのは当然です。
逆に今はあまり多くの給与を受け取っていない若い人にとっては、給与が上がる可能性はあります。
そのため若いうちの方が外に出やすいと言えるでしょう。

働きすぎの日本人
もりぞおさんは日本人の働き方を野球に例えて話してくれました。
「野球は9回まであります。日本の働き方も当然9回まであるという設定で仕事がまわっています。7回くらいで終わりましょ、ということにしてその中で仕事も設定できればいいのですが・・・」
日本人の長時間労働については授業でも何度も出てきています。
加えて、「これから人口も減って行くにも関わらず時間を短くするのは実践しにくいのでは。もっと経済が上向きの時代に、働き方を変えられていけたら良かったけれど、これは難しい問題」と森山さんは話してくれました。
また、ワークライフバランスについては、ワークとライフの両立ではなく、ライフの中の様々な要素としてのワークであるという社会になればもっと良いという話がありました。
それぞれの要素がどれだけの割合を占めるかはその時期によって異なるため、その割合を柔軟に調節できるような社会にできればと思います。
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大学の改革
最後に、教育の話をされてもらいました。千葉大学もグローバル人材育成に力を入れているように、国がお金を出して多くの大学で取り組みがなされています。
今はまだ駆け出しの時期ですが、英語で単位を習得する過程を整備したり、職員の英語レベルを向上させる等、大学も改革が必要です。

しかし、本当にグローバル人材を育てるならば、小さい頃から英語に触れ、遅くとも高校生くらいの年齢には海外で学ぶのがよいと森山さんは話します。
また、英語だけでなく、ぜひ小さい子には「いろいろなことをしていいんだよ」と教えてほしいと言っていました。前半にも「人と違うことをしよう!」というメッセージがありましたが、やりたい!面白いと思うことを尊重し、どうやって実現しようかな?というのを考えながら学べる活動を行なってほしいと言っていました。
社会を変えていくのはやはり子どもからです!」というメッセージは私たち教育学の学生へのエールのようでした。

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最後に、多様な働き方について一冊の本を薦めて頂きました。
『未来の働き方を考えよう』ちきりん著
先日発売されたばかりのちきりんさんの新著です。
キャリア教育について考えてみたこの機会に手にとってみようと思います

今回は異文化と関わる仕事というテーマで、海外での仕事の現状や、多様性のある働き方、グローバル人材育成についてなど、幅広くお話を聞かせて頂きました
お話を聞かせてくださった森山たつをさん、本当にありがとうございました!

森山さんのホームページはコチラ!
もりぞお海外就職研究所http://morizo.asia/


【テーマ】 異文化との共生にかかわる仕事(D班)
【取材先】 千葉県UNICEF協会 福本朋子さん
【メンバー】 西山夏奈 石川友貴 和田泰徳 古川南 山下茜 井上滉也


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私たちD班は、様々な国で活動を行っている千葉県UNICEF協会に取材に行ってきました。



UNICEFと言えば募金というイメージが真っ先に浮かびます・・・・
募金以外にはどのような活動をしているのでしょうか?



県内の小学校や大人向けに学習会やワークショップがあります。
世界の子どもたちが実際にどんな生活をしているかなどを
みずがめや地雷など実際に見せたりしながら
一緒に支援について考えたりしています。
お祭りに参加し、遊び(スーパーボールくじ30円)で売上を募金の一部としたりもします。
と、同時に100円で世界の子供のためになにができるか、
幅広く知識を広めていく場となっています。

また、ゴルフなど大人も参加できるものもあります。
参加費を募金とし、
参加者は楽しみながら募金を行い、
気軽にユニセフに参加してもらっています。



地雷やみずがめとはどんなものですか?


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地雷;ヘリコプターから落とし、興味を持って近づいた人を攻撃します。今でも、5,000~6000個程度埋まっているとされています。



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みずがめ;水をいれると20キロにもなります。10歳の女の子が家族のために水汲みを行い、
学校にも行けないのが現状です。


支援する国はどんな国?

5歳になるまでに亡くなる子どもの数が1つの大きな指標です。
日本では、1000人中3人です。
一方で、アフリカの国の中には1000人中200人亡くなってしまう国もあります。
およそアフリカの国の半分はこのような現状です。

オリンピックは200カ国ほど出場しますが、
UNICEFは150以上の国と地域を支援しています。



どんな支援をしているのですか?

衛生的な部分はもちろんですが、
国に合わせた支援を行っています。
習慣や宗教も違うので、個々の国に応じた調査、モニタリングをしっかり行った上で、
現地のNPOとも協力しながら支援を行います。

教育の大切さを説きながら、先生を育てる活動も行っています。
一方的な支援ではなく、共に同じ方向(未来)を見据えて、
政府とも一緒に活動を行っています。



現地で働く人とはどんな人ですか?また、どんな資質が必要ですか?

初めにNGOなどで経験を積んでUNICEFの職員になる人が多いですね。
健康的かつある程度英語に堪能な人です。
現地に行くには試験などもあり、
いくつかの項目をクリアした人が現地で働いています。



UNICEFの活動をしていてよかったことはなんですか?

いろいろな人との出会いがあるのが楽しいです。
こうして取材を受けるだけでも、何人かの人がこの取材をきっかけにUNICEFに興味を持ち、
いつか現地で働くかもしれません。
また、学習会などの活動を通して、子どもたちの将来への1つのきっかけになれば嬉しいです。


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福本さん、長時間の取材にも関わらず、
笑顔でのインタビューありがとうございました!

UNICEFは募金がなければ活動できない。

募金の輪が広がれば、自然と笑顔の輪も広がっていくのではないでしょうか。
そんな気がしました。

一緒に同じ未来を見据え、
協力を大切に仕事をやっていく。

UNICEFはまさに異文化同士を「支援」という2文字でつなぐ、
そんな素敵な職場でした!

この記事を読んで興味を持たれた方、
一度UNICEFの活動に参加してみませんか?


僕たちの拙い記事で、UNICEFの活動、そして仕事について興味を持って頂ければ幸いです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます!


日本ユニセフ協会のHPはこちらから

【テーマ】異文化との共生にかかわる仕事(C班)
【取材先】株式会社JALスカイ 成田事業所 総務部 三浦沙文さん
【メンバー】田端明日香、髙橋和樹、五喜田絵里、徐吟舒、梅田千夏

 現在私たちの周りには、技術革新やグローバル化によりたくさんの異文化と共生する仕事があります。海外に会社を持つ企業や、世界を相手に取引を行う会社など、仕事内容も様々です。ですが今回は中学生の皆さんにわかりやすくお伝えするために、その中からまさに「世界と日本をつなぐ窓口」である空港のグランドスタッフの方にお話を伺うことにしました。
普段私たちが旅行に行くときに、やさしく見送ったり迎えてくれたりする空港のスタッフさんは普段どんなお仕事をしているのか、どんなことを考えているのか、未知の世界を覗いてみましょう!

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[取材内容]
異国の方々とコミュニケーションをとる際に意識していることは何ですか
・日本文化を当たり前と思わないこと
 Ex)宗教・・・イスラーム教の人々に「メリークリスマス」はタブー
 時間に対する感覚・・・欧州の人々は時間にルーズ。指定された時間より30分遅れても大丈夫だろうという感覚。そのため飛行機のフライトの時間については、じっくりと説明する。

必要とされる英語力はどのくらいですかまた、必要な他言語とは
TOEIC○点以上や英検○級以上といった明確な規定はない。
英語を好きである気持ちがあればよい。
英語力がないからといってあきらめる必要はない。

韓国語と中国語を使う機会が多い。フィリピンなどは英語を話せる人が多いが
中国と韓国の特に年配の方は母国語以外話せない人がほとんどである。

異文化との共生で持つべき心構えは
日本と異なる文化に対して「なんで?!」と否定的に思わないこと。ジョークの見分け方などに苦労したとのこと。育ってきた環境が全く異なる人々に対応するため、固定概念を捨て去る必要がある。三浦さん自身、大学時代に異文化について学んでいた。その経験が今でも生きているとのこと。

仕事内容、スケジュールについて
業務は大きく分けて二つ
Ⅰ)旅客サービス
Ⅱ)オペレーション

そこからさらに分岐し、
旅客サービスについては
・ラウンジ
・VIP対応
・チェックイン
・搭乗口対応
・手荷物管理
に分かれている。

オペレーションについては
・コントロール…食事や座席の管理
・バランス…機体のバランスを計算し管理
・ロードコントロール…航路の管理
に分かれている。

早番の日は5:30~14:00
遅番の日は14:00~22:30
四勤務二日休制をJALではとっている。

なぜJALで働きたいと思ったのですか

小さいころからJALを利用しており、当時行っていたイベントやお姉さんの対応が強く印象に残ったから。
 
~三浦さんより中学生に一言~

私が中学生のころは自分が将来何をしたいのか全く見当がつきませんでした。高校、大学と進むうちに少しずつやりたいことが見えてくるはずです。明確な夢があるならばその夢に一直線に進めばいいと思います。見つからないのなら、焦らず、今しかできないことを探し全力で取り組んでください。私は、もっと勉強すればよかったなと後悔しています。勉強と遊びのバランスを意識して頑張ってくださいね
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[インタビューを終えての感想、印象に残ったこと]

・日本文化をあたりまえだと思わないこと。

・英語力がないからといってあきらめる必要はないこと。

まず1点目にあげたことに関してです。日本に住んでいる限り、体に日本の習慣やしきたりなどが体に染み付いてしまっています。しかし、異文化を理解し受け入れるということは、まずそのステレオタイプから抜け出すことが大切です。とても難しいことだと思いますが、JALの職員の方々が実際毎日こなしていることに、改めてすばらしいなと感じました。

2点目ですが、我々は、JALに入社するにはかなりの英語力必要であると予想していましたが、そこまで重要視されてないことには驚きました。グローバル化が進む現在、やはり言語は何カ国語か話せなくてはいけないのではないかと考えていたのです。しかし、インタビューを終えた今、サービス精神や礼儀といった、言語以上に重視していることがあるからこそ、現在のJALの手厚いおもてなしがあるのではとも感じられます。

最後に、お忙しい中インタビューに応じてくださった三浦さん、インタビューを手配してくださったJAL広報部の皆様にC班一同、心よりお礼申し上げます。このインタビューを機に、今後も異文化理解にしっかりと目を向けていきたいと思います。
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