千葉大生が教える!「新世代職業ガイド」2013

千葉大学教育学部「キャリア教育」(2013・前期)では、ワークライフバランスなどに代表される、「新しい働き方」が求められる時代のキャリア教育のあり方について学びつつ、実際に「新しい働き方」に関するお仕事をされている方への取材活動を行っています。このブログでは、取材内容を、主に中学生を読者と想定した記事としてまとめ、発信をしていきます!

カテゴリ:2013 > 子どもの福祉に関わる新しい仕事

【テーマ】子どもの福祉にかかわる新しい仕事(B班)
【取材先】千葉市中央区保健福祉センタ―こども家庭課 職員の方々
【メンバー】有常洋菜 池田美波 斎藤千景 鈴木友香 高橋亜美


 私たちは「児童虐待」について詳しくお話をうかがってきました。

まずは「こども家庭課」さんのお仕事をご紹介します

1.各種手当の支給と医療費の助成に関すること
2.お子さんのお預かりに関すること
3.ひとり親家庭の支援に関すること
4.子育て支援、児童虐待防止に関すること

等があり、それぞれの業務に担当の方がいらっしゃるそうです
(千葉市中央区保健福祉センター こども家庭課 所管事務の概要より http://www.city.chiba.jp/chuo/hokenfukushi/kodomokatei/)

ここからは児童虐待についてお話しますね

皆さんも「児童虐待」について聞いたことがあると思います。

千葉市でも虐待は増加傾向にあるそうです。基本的には児童相談所が対応をするそうですが、千葉市は政令指定都市なので市に児童相談所があります。
(児童相談所は通常都道府県にあるんです・・・!)


―こども家庭課さんのお仕事をもっと詳しく知りたい!―

ということでインタビューの内容をまとめました
Ans.
泣き声通告の対応
 こちらは3年前から区での対応が始まりました。割と最近ですよね。泣き声通告には次のような流れがあります。
 
 
 通告(「なにかおかしいな」と思うことがある人からの電話を受けます)
 ↓
  予備調査(虐待を受けているのではないかと思われる子どもの安全を確認するための調査をします)
 ↓
 
  家庭訪問(子どもの安全を確認しにお家を訪問します。この時「○○さんから聞いたのですが・・・」のように通報した人の名前が出ることは絶対ありません!!

 ↓
  報告(帰ってきたら報告をします。児童相談所の方へも報告をし、情報共有をします)

千葉市要保護児童対策及びDV防止地域協議会のとりまとめ
 市役所の各課の方、お医者さんや弁護士さん等が参加する代表者会議や、市役所の各課の方、児童相談所、地域の代表の方々等も参加する実務者会議があります。
 
 ここでは要保護児童やその家庭についての情報交換・共有をするそうです。 

電話相談の対応
 週4日、家庭相談員の方が育児等に関する悩みを電話で聞いてくれます。子育てのアドバイスなどをしてくださるそうです。

―通告や電話相談ということばがでてきましたが、どんな相談があるんでしょうか―

Ans.
子育て相談が多いそうです。(ひとり親の相談含む)
また、「児童虐待防止法」では通告が義務付けられています。
親族や隣人からの通告・病院からの通告等があったら泣き声通告はこども家庭課が、その他の通告は児童相談所が対応します。
(児童相談所は18歳以下の子を一時保護もできます。)

支援やアドバイスを通して協力して地域を守ることが大切だそうです!!

―どんなことに気をつけていますか?―

Ans. 
個人情報の保護や言葉遣いに気をつけているそうです。例えば「虐待」と言うことばは初期の対応ではあまり使わないそうです。

―家庭や地域でできる対策はあるのでしょうか―

Ans.
子どもを虐待から守るための5か条」というものがあります。

1.「おかしい」と感じたら迷わず連絡    勇気を持って通告しましょう!
2.「しつけのつもり・・・」は言い訳      子どもの立場で判断して!
3.ひとりで抱え込まない           あなたにできることから即実行!
4.親の立場より子どもの立場        子どもの命が優先!
5.虐待はあなたの周りでも起こりうる   特別なことではないんです!

―やりがいを感じるのはどんな時ですか?―

Ans.
明確な目標設定が難しい仕事です。目標を立てても、ものすごい時間がかかってしまいます。
しかし、様々な支援をして、
・虐待行為に頼らないしつけができるようになりました!
・子どもとの関係が良好になってきました!
・子どもが無事に成長しました!

という状態をみることができるのがやりがいだそうです



―最後に、中学生の皆さんにメッセージをお願いします!―


皆さん、「オレンジリボン」というのは知っていますか?
オレンジリボンは児童虐待防止のシンボルで、栃木県の幼い兄弟が虐待でなくなった事件から、幼い命を守るために始まったそうです。
11月は児童虐待防止推進月間と定め、国や自治体・関係団体が様々な啓発活動を行っているので、興味のある方は啓発活動に参加してみてください。

皆さん、いかがでしたか?
私たち大学生も知らないことがたくさんありました。まずは、私たちにできることから始めてみましょうね

子どもの福祉A班
【テーマ】子どもの福祉にかかわる新しい仕事
【取材先】田村光子先生
      植草短期大学講師、児童福祉系を専門とする子どもの現場に関する委託事業を受け持つ
【メンバー】北野志歩 鈴木大地 高橋拓也 野崎孝太 久野奏貴

私たちのグループは千葉大学の特別支援教育特別専攻科出身で小学校の教育免許を持っている田村光子先生に、子どもの福祉についてお話を伺いました!

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その理由は!
→みなさん〝こどもカフェ〟という団体を知っていますか?この団体は、家庭や学校に居場所がなく、見守りが必要な子どもたちを支え、一緒に勉強したり、親や学校の先生にも言えないことを気軽に相談したり、また、仲間と遊んだりするなど、子どもたちにとって安全・安心で気軽な居場所を提供し、だれもが自由に遊び、そして学びながら地域全体で子どもを育てていくことができる場所としての機能を目指して活動している団体です。私たちは子どもの福祉について千葉県内で探しているうちに、この〝こどもカフェ〟という団体に興味を持ち、そこから子どもの福祉について考えてみたいと思ったためこの記事を書こうと思いました。(田村先生はこのこどもカフェでボランティアとして活動されている)


それでは早速、田村先生に子どもの福祉についてインタビューしてみましょう!

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Q1,どのような経緯で福祉関係の仕事に就くようになったのですか?
A)
福祉の方へ進んだきっかけは母から学校の放課後の子供たちを見てほしいというボランティアの誘いが来て、それをやってみたところ、家にいても一人でいれず、ずっと手を握っていないと居られない子や、家で騒ぎ出すなど何をするかわからない子、特別な障害があって寄り添ってご飯を食べさせないといけない子などと出会い、福祉について興味を持ち始めたから。

Q2,こどもカフェを運営する上での苦労は?
A)
発する言葉に気をつけなくてはならないこと。両親がいるのが普通というわけではなく、中には片親もいるしあまり親に干渉されない子もいる。そのためこちらが普通と思って話した内容が子供を傷つけてしまうこともある。また、発達が遅いとまでは言い切れないが、自分の感情を抑制しきれない子もいる。そのような子には叱り方に注意をとても払う。このように小さいことではあるが、実際には大きな影響を与えるような要素が多くあること。参考程度だが、特別支援の子(そこにいた子)の母は専業主婦が多く、それは、子どもが施設や学校から帰るときに一人で帰れなくなり、お迎えに行く必要があるから。


Q3,新しい福祉の仕事として現在どのようなものがありますか?
A)
障害のある子の家まで行ってご飯を作ったり、世話をしたりするようなものがある。普通のように聞こえるがこのような仕事が出てきたのはごく最近のことで、家政婦とは違って家の仕事をするのではなく、子どもの世話に特化した仕事である。

最近はよくわからない空地というものがなく、子どもたちが自由に集まって遊べる場所がないので、そのような場所を提供してあげること。イメージ的には、ドラえもんに出てくるあの公園のような、空き地みたいなとことにみんなが集まって遊べる場所のこと。最近は便利になってきている分、無駄な場所(と言ったら過言かもしれない)がなくなってきているため、このようなことが必要になっている。


まとめ
福祉として子どもに焦点を当てると、その子にとっての「居場所」を作ってあげることが大切であると考えた千葉市が植草大学に委託したところ、田村先生がそれを引き受け、子どもカフェという名の子どもの「居場所」をつくってみた。そこでは「みんな」を受け入れているが、様々な環境の子供がいるため、一人一人に寄り添ってあげることが大切となってくるため、こどもカフェで活動する大人たちにも能力が求められてくる。美浜区高洲にあるこどもカフェはまだ新しくモデル運営であり、こういった場所を増やしていくことも新しい福祉の仕事である。

高洲にあるこどもカフェのHPはこちら



~インタビューを終えて~

親や周囲の環境により、自ら望まずに居場所をなくした子どもたちにとって、こどもカフェのようなところは自分の居場所を見つけるきっかけとなるので、これから新しい福祉として発展させていくことが大切だと感じました。
また、自分と環境の違う場所にいる子供たちが自分の当たり前にやっていることをまるでできていない、そういう現状を聞いて今の自分の状況のありがたさや、また、恵まれない環境でのキャリアの積み重ねることのむずかしさを思い知りました。



最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
もし、今自分の居場所がわからなくなっているならば、一度こどもカフェに足を運んでみてはどうでしょうか?





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