千葉大生が教える!「新世代職業ガイド」2013

千葉大学教育学部「キャリア教育」(2013・前期)では、ワークライフバランスなどに代表される、「新しい働き方」が求められる時代のキャリア教育のあり方について学びつつ、実際に「新しい働き方」に関するお仕事をされている方への取材活動を行っています。このブログでは、取材内容を、主に中学生を読者と想定した記事としてまとめ、発信をしていきます!

カテゴリ: 2013

【テーマ】低収入で豊かに生活する生き方A班
【取材先】NPO法人Collable代表理事 山田小百合さん
【メンバー】南川智美、和田梨沙、山田実加、富井景子、鈴木菜美
【インタビュー人物】
山田さん


本日インタビューをうけてくださったのはこの方。
みなさん覚えてるでしょうか。

そうです。
先日キャリア教育の時間でお話に来てくれた山田小百合さんです。


【プロフィール】

山田さんは1988年生まれの大分県出身です。
東京大学大学院 学際情報学府 山内研究修士。
専門は学習環境デザイン、インクルーシブデザイン、ワークショップです。

多様性と相互理解をキーワードに、障害者やマイノリティ等が参画できるコミュニティーづくりを実践するNPO法人Collable代表理事。

多様な人々の社会参画やコミュニティーを円滑に推進するための仕掛けづくり、インクルーシブデザインを利用した価値創造のためのワークショップなどを展開しているそうです。
【NPOとは?】
Non Profit Organizationの頭文字をとったネーミングです。
Nonprofitとは非営利、Organizationとは団体・組織を意味します。

すなわち、直訳すると非営利団体ということです。

NPOの要件として、
1.民間で 
2.公益に資するサービスを提供する 
3.営利を目的としない 
4.団体 

とされています。そのうち、特定非営利活動促進法(いわゆるNPO法)にもとづいて、法人格を取得した団体をNPO法人と言います。


 日本で1番多い種類のNPOは、介護やお年よりのための活動のような福祉について活動しているところになります。
2番目以降は、森林の保護などの環境についての活動であったり、自然環境の保全や再生、農業や山林・里山の維持、地球温暖化対策、環境教育など、さまざまな分野で専門性を活かして活動するものが多いようです。

例えば今千葉県のNPOでは浦安と九十九里の住民交流をテーマに九十九里野菜の販売ボランティアなどを行っています。
農地の無い浦安市民に対し、浦安市民の食を支える存在になるために、対面販売にて、九十九里野菜をお届けする、というものです。

こちらはまだスタッフを募集していますので、興味のある方はぜひどうぞ!


先日山田さんは障害のある子供たちと「モノで演じる、エンゲキで遊ぶ」というワークショップを行いました。

写真を一部紹介します!
写真1

これは浦島太郎などを劇を、体を使って表現する活動です
写真2


そのあとこちらが紙を落とさないようにするゲーム。
大人も子供もみんな熱くなってます。

みんなでアーチをして絆を深め合おう!
写真3



どれもみなさん楽しそうですね!
【営利を目的としない活動】
NPOって非営利活動をするものなのに、お金をもうけていいの?
という疑問が出てくると思います。
非営利とは、お金をもらわないで(無償)活動するということではありません。

組織を運営していくには経費を要します。
メンバーからの会費収入や寄付金だけでは、本来目的とする事業を遂行するには十分ではないことが多いと考えられます。
そこでNPOも事業により収入を得て、安定して社会に存続していくことが求められます。
そのためなら、人を雇うことも可能です。



【「営利を目的とする団体」との違いはどこにあるのか?】
「営利を目的とする団体」との違いはどこにあるのかといいますと
得られた収益を社員や株主で分配するのが営利企業です。

非営利で活動するNPOはこのような利益の分配を行わず、利益は今後の事業に充てなければなりません。
利益の分配の有無が営利・非営利の分かれ目となるのです。


【NPOに対する社会からの期待】
公益、つまり世の中の不特定多数のもののための利益は、行政が担う分野と認識されてきました。
しかし行政の原則は平等、公平です。
要するにみんな同じに扱われなければなりません。

ところが、現代は人々の価値観は多様化し、社会問題も多種多様となっています。
こうなると、平等、公平の原則に配慮し、法令に基づいて動かなければならない行政では、すばやく、きめ細かな対応が難しい場面が出てきます。

例えば、災害など緊急事態が発生したときや、これからさきのことを考えた先進的な試み、規模は小さいけれども見逃せない社会問題などです。


一方、行政に比べて小回りがきき機動性に勝る民間非営利団体は、個別の活動だけを見れば範囲は限られているかもしれませんが、全体としてみれば、行政での対応が難しい分野をカバーしつつ、行政とともに公益を担っていく可能性を持っていると言えます。



今までは、社会は行政と企業によって支えられていると考えられてきました。
つまり、行政はみんなにとって利益となる分野を、企業は自分の利益の追求の分野を担っていたわけです。

しかし民間非営利部門がこの二つの勢力と並ぶ第三の勢力として成長したらどうでしょう

行政と並んでみんなにとっての利益を担う力を持つようになれば、市民主体の社会の実現に大きく役立つでしょう。
この第三勢力の担い手として、NPOに期待が集まっているわけです。
【 NPOの収入ってどのくらい?】
以上の説明でNPOについて少しはお分かりいただけましたか。


話を戻しますと、先ほど非営利=無償ではないといいましたが、どのくらいの収入をNPOの人たちはもらっているのでしょうか。
一口にNPOにも収入があるといっても一般の企業とはどの程度の差があるか気になりますね。

産経新聞からデータをピックアップしてみると、
NPO従事者の8割が活動を通じて収入を得ており、無給の人も含めた平均年収は約160万円。

年収300万円未満の人が3分の2以上を占めたそうです。

一方、仕事の評価は「内容がおもしろい」(91・7%)、
「能力がいかせる」(86・8%)と多くの人が満足しています。

 この結果は、企業で働く社員と比べ収入面では低いが、仕事に対する評価は高いです。また、アルバイトなど非正規社員と比べると収入も仕事に対する評価も高いです。



平均年収160万!

一般に労働時間が企業労働者より短いこと、兼業者や無給のボランティアがいることなどを差し引いても、いくら何でも安すぎではないでしょうか。

しかも若者を有給で雇用できるNPOは事業規模が大きいところにほぼ限られているそうです。
企業ではNPOのように刺激的でおもしろい仕事にかかわれる機会が少ないといえますが、若者を雇用する力があるNPOは多くはなく、雇用しても高い給与は払えないのが現状だそうです。

山田さんにお話をお伺いしたところ、実際山田さんのサービスを提供する相手も、経済的に余裕がある相手ばかりではないので今はそこまでもらえていないとのこと。
本人はいつか障害のある人の雇用の援助を通して企業からお金を得たい、と考えているようでした。










【 「やりがい」さえあれば労働条件は悪くても大丈夫なの?】

 それにもかかわらず仕事内容そのものの満足感は高いのです。
「仕事の内容がおもしろい」
「能力が生かせる」
「信頼できる上司がいる」
の3項目で8割以上の高率だそうです。

一方、「雇用が安定している」
「福利厚生が充実している」
「給料がよい」
といった項目では企業の正規労働者を下回ります。
下回るといっても、企業労働者の満足度も決して高くはなく(「給料がよい」は3割強ほど)、かえって現在の企業の労働環境の悪さがよくわかってしまいますが、それでも経済的条件という点で、多くのNPOの労働者の立場が企業労働者に比べて不安定であることは確かである、と考えられます。


お話をうかがったところ、現に山田さんもNPOの収入だけでは足りないため、京都造形大学、専修大学、その他様々な大学などで授業のお手伝いをして収入を得ていると言っていました。


収入よりも「やりがい」を
山田さんも多くのNPOで活動している人と同様に、活動の中にやりがいを見出している方でした。

なぜこんなにも多くの人が低収入にも関わらず様々な活動を率先して行うことができるかというと、お金以上に価値があるからこの仕事についているという結論に至りました。

特に山田さんは人と会い、コミュニケーションをとって自分の糧にすることで、自分の豊かさにつながると考えているかたです。。
たくさんの人とふれあい、自分の身に蓄積できるものはたくさんあることでしょう。
それこそお金では手に入れることのできないものの一つです。
このひとことで私たちは考えさせられました。




私たちは今回のインタビューを通して収入の高さが人生の満足度の高さに必ずしもつながることではないのだと学びました。
今現在NPOの活動を通して、人と会ってふれあうという欲求を満たされている山田さんはとても生き生きしておられました!




私たちに、そして今の社会に必要なことはこの精神なのではないでしょうか。
高収入ではありますが劣悪な職場環境と労働条件の中で働くサラリーマンの方が増えてきてる世の中です。

今一度、私たち日本の社会の中に生きる人々は、お金と収入のはかりをもう一度見直してみるべきだと思います。

今回の取材では私たち大学生もいずれ社会人になる身として、人生で大切なものは決して一つではないということを学ぶよいきっかけとなりました。






以上、ここまで長い文章となりましたが、目を通してくださった方、ほんとうにありがとうございます。

取材に応じてくださり、丁寧なアドバイスたくさんしてくださった山田さんには感謝しきれません。






これで私たちの取材の報告を終わりにしたいと思います。

【テーマ】低収入で豊かに生活する生き方B班
【取材先】前田商店 前田敏之さん
【メンバー】大塚みのり、金子真大、稲垣建人、陽卓矢、菊地美穂


 「低収入で豊かに暮らす」ことを実践している、木更津市の前田敏之さんを訪ねた。
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 社会に出て、自立した生活をする…そのことを考えると、出来るだけたくさん稼いだ方がいい、と考えている人もいるのでは?だって、欲しいものもいっぱいあるし、生活するにはたくさんのお金が必要そうだもんね。
 でも、本当にそうなのかな?
 豊かに幸せに暮らすことと、お金をたくさん稼ぐことはイコールなんだろうか。

前田さんは、システムエンジニアとして12年勤め、その技術をもって青年海外協力隊として、ミクロネシア連邦ヤップ州で2年活動。環境と有機農業を学ぶため、ドイツで1年過ごした。
 
 ミクロネシア連邦→http://www.visit-micronesia.fm/jp/index.html

 日本も島国だけれど、同じ島でも、ミクロネシア連邦とは全く違う。
 仕事が終わると海で過ごす…というような生活をするうちに、自然の中で過ごすことが好きになった前田さん。帰国してからもホームレスの人と一緒に過ごしてみたりして、生き方・働き方への視点がサラリーマン時代とは変わっていった。

 そして帰国後、福島県郡山市でアンティークと地産地消の店舗を経営しながら、月3万円ビジネス提唱者で非電化工房主宰の藤村靖之さん(http://www.hidenka.net/indexj.htm)の「地方で仕事を創る塾」で学んだ。前田敏之さんは木更津の地で米作りワークショップ、焼き芋ビジネス、システムエンジニアの経験を活かしてWEB構築の仕事をなさっている。


1つのビジネスからの収入(いいことを仕事にする、地方で仕事を分かち合うなど)を、1ヶ月3万円ぐらい得られるようにする。そんなビジネスを複数持つことで生活は成り立つし、そのアイデアを仲間とシェアすることで、誰もが「組織に縛られる不自由さ」から自由になれる…これが、月3万円ビジネスのコンセプトだ。そもそも「月3万円ビジネス」に興味を持つきっかけとなったのは、ある日にみた、自分が海外青年協力隊として働いているという夢だったと前田さんはおっしゃっていた。

 自分で仕事をつくる=「起業」というと、とても大変なこと!というイメージがあると思うけれど、自分の出来ることで、1ヶ月3万円を稼ぐことは出来ないかな?と考えてみてほしい。実は、中学生でも出来そうなこと、あるんじゃないかな?

 さて、どんな風に月3万円ビジネスを展開していこうかと思案していた矢先、東日本大震災が起こり、被災。
無事だったものの、店舗を続けていくことは出来ないという中、被災者支援ボランティアとしても活躍。
その後、東京に一時居を移し、自分のやりたいことを実現出来る場を探した。
友人に自分の夢見ていることを具体的に語り、絵にしてもらった。
自然と人間が共存しする、自由なコミュニティが描かれたその絵を今も大切にしている。
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そして、木更津を選んだ。
木更津は田畑があり、里山があり、海に面していて、「都会の人にみせたい」ロケーションがそろっている。そして、東京からバスで1時間とアクセスが良いのが魅力。様々なイベントをする際の集客を考えると、この点は大きい。「やりたいこと」と「それが仕事になるか」の両方を考えているからこその選択、というわけだ。
今は田畑を借りて耕作し、農業体験の場にしている。そして、これまでのキャリアを活かし、ホームページ作成支援などの仕事もしている。

 前田さんは、今の働き方を選んだことで、時間を自由に使えるという豊かさを得たと言う。そして、それは本来は当たり前のことだとも…。
 このことは、きっと、まだ働いた経験のないみんなにもわかることだと思う。
 「自由」って、とても大切なことだよね。この「自由」が大切という考えは海外での経験を経ていつ死ぬかわからない人生において自分の時間を持ちながらビジネスを行うという選択肢もあるのではないだろうかと思うようになったところからだった。

 自由な時間が十分あって、趣味はインド楽器のタブラの演奏。集まりやカフェで演奏会なんか出来たらいいなぁ、と練習を楽しんでいるだけでなく、その演奏を人と分かち合うのも楽しみにしているようだ。
 前田さんは「趣味」と「仕事」と「社会活動」を分けて考えているのではなく、むしろ、すべてがひとつになっているようだ。
 やりたいことの中に仕事になる面もある、という感じ。

 お話を伺う中で、「~しないといけない」という言い方は当然なくて、「~ってなったら~しようかな」という言い方が多かった。
 どんな苦労があるかという問いに、いつも苦労はある、やってみて分かることもあるし、波があるからと答えてくれたけれど、どう見ても、その苦労を楽しんでいるような顔だった。
 自分がやりたいことを、やりたいように取り組んでいると、いいことが起こっても、そうでないことが起こっても、その時々の良さそうな方向を自然に選べるのかもしれない。
 でも、きっと、その「選ぶ力」は、労働時間が長く大変に忙しいサラリーマン生活や、海外での経験によって培われたのだと思う。

とここで、お金がかかるものってなんだろう?
 家賃と車のガソリン代、病院に行くお金と税金です。他の支出は減らせます。米や野菜を作り自給自足しているので食費がかかりません。冷蔵庫がないので出かけるときはブレーカーを落とし電気代を節約します。生活を楽しんでいるので特別な娯楽費もいらない。

 支出の少ない生活を実践している前田さんの電気代はなんと約300円!!環境にも優しいですね。みなさんも自分の生活を見直してはどうだろうか?
 こちらの写真が前田さんのつくっている畑と田んぼです。この面積の田んぼで一年間二人分のお米がとれるそうだ。




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手作業・無農薬・無化学肥料を目指し、米を育てている。コシヒカリと黒米(古代米)。苗から育てているそうで、それは実は今では珍しいこと。これは自給自足生活の一部分ですごく楽しいみたいだ。
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時間をかけて開墾した畑だが、イノシシが心配。この近くはイノシシがいて、せっかく育てた作物も取られそうで怖いみたいである。


里山保全の仲間と作ったこの場所で、集い、語らう。ここで、仲間と語り合うことがすごく楽しく一番の娯楽になっているみたいだ。
この取材で、一番感じたのは、常に生活を楽しんでいて、見ているこちらも幸せを分けてもらえそうなほど、楽しい生活をおくっているのだなと思った。

最後に中学生のみんなに伝えたいことは?と聞いた時の前田さんの答は明快で、力強かった。
「楽しめ!死ぬな!大人は楽しいぞ!」

 そう!大人は楽しい。
 自分で生き方を選んで、人とのつながりを大切にする、そんな豊かさは、収入の先にやってくるのではない。
今を楽しみ、命を大切にする、その先にもっと楽しいことも豊かさも待っている。

【テーマ】家族の世話をしながら働きやすい職場(C班)
【取材先】有機農園けのひ 北原祥子さん
【メンバー】山田恵季 吉田季帆 石崎悠太 林大夢 星野彰太


 私たちの班では、「家族の世話をしながら働きやすい職場」というテーマを考えたときに、職場というのは、企業だけではなく、農業などの自営業もそれにあたると考えていました。そこに、脱サラをして、夫婦で農業を営みながら、3人のお子さんを育てているという「有機農園けのひ」の北原さんと出会いました。北原さんご夫婦は、お二人とももともとは、企業に就職をして働いていて、お二人ともが企業勤めの時に第一子を出産され、農園の開園に向けて、旦那さんの瞬さんが先に脱サラをされ、奥さんの祥子さんが企業勤めの時に第二子を、そして、祥子さんも脱サラをされ、二人が農家としてスタートし、今年の春に第三子を出産されました。今回は、企業勤めの時の子育てと、農家として働き始めてからの子育ての両方を経験されているということで、 有機農園けのひ の 北原祥子さんにお話を伺いました。

図1


有機農園けのひ 北原さんご夫婦は、東京都の八王子にて、農園を営んでいます。有機農園けのひでは、無農薬を掲げ、農薬を使うなら農業はやらないというこだわりをもって、大切に野菜を育てているそうです。また、一般の方を農園に招き、農業体験を兼ねた大豆栽培を行い、その収益をもってガーナのカカオ農家の就学支援をするという 「SOY for CACAO」というプロジェクトにも取り組んでおられるそうです。

図2


図3



北原祥子さんのキャリアと子育ての経緯 祥子さんはSEIYUで9年間働いて、色々な部署で仕事をし、キャリアを積まれていました。また、高校時代に一年間海外留学をして語学を磨いたことを生かして、米国のウォルマートから来た重役の方の秘書を務めるなど、多岐にわたって活躍されていました。第一子と第二子はSEIYU勤務時に出産され、仕事と育児の両方をこなされていました。

 第一子を出産したときは、SEIYUで育児休暇を1年4か月取得。
 (時期もあり、保育園に入れず延長。最大1年半まで育休可能)
 (旦那さんもサラリーマン@銀座勤務)
 第二子を出産した時は、SEIYUで育児休暇を1年ちょうど取得。
 (旦那は脱サラ、農業研修@成田)
 第三子も育休をとるようまわりからはすすめられたけれど、退職を選択。農家へ転職。
 (旦那は独立営農@八王子)

 
 この経緯を踏まえて、いくつか質問をさせていただきました!


●Q.SEIYU勤務時と現在(農家)で、子育ての環境はどう変化しましたか?

A. 【会社に勤めているとき】
 SEIYUには、育児休暇制度や、出産手当金、育児中の勤務時間短縮など支援制度は整っていて、復職する際も、産休中の部署の移動が禁止されているなど、職場に戻りやすい配慮がされていました。また、フレックスタイム制はなかったけれど、上司の了承をもらい、一時間勤務時間をシフトさせてもらって8時~16時で勤務をしていました。(本来は9時~18時勤務のところ、1時間短縮も含む)
 一日の生活は、
 通勤に片道1時間半~2時間かかるため、朝は4時起き、家事をしてから6時頃に電車に乗る。帰りは17:30に駅につき、保育園直行。会議や突発的な残業があると、両親に電話して保育園のお迎えを頼んでいた。さらに夕食まで食べさせておいてもらうこともあった。
 といった感じでした。
 会社勤務時は、生活をまわすのに必死で、子育てに時間をかけられませんでした。だけど、産休・育休中は、会社からお金もでるので収入の不安は少ない状態で育児に専念できるのは良い点でした。 
【農家として働いているとき】
 子育て中心の生活。農業はまだ二人で100%取り組めないけど、子どもが小さいうちだけなので、子育てを優先しています。産休・育休というものがないので、育児してるだけでは勝手にお金が入ってることがないので多少無理しても仕事をせざるを得ないときもあります。仕事内容としては、まだ生後3か月の子がいるので、私は家でケアしながら、農業事務作業をサポートする程度になっています。出荷が多い日は旦那だけでは間に合わないので、三番目の子供だけ連れて畑に行くこともあります。子どもたちが保育園に行っている間に家事ができるので帰宅後すぐにごはんを出せるし、一緒にあそぶ時間があるのはよいところです。

●Q.子供と触れ合う時間というのは変化がありましたか?

 A.会社に勤務していた時は帰宅してすぐ夕食の支度やお風呂などで子どもと遊ぶ時間はほとんどありませんでした。平日に子供と触れ合える時間はできましたが、今は、曜日は関係ないので、週末も家族全員でそろう時間は逆に少なくなっています。(基本的に父は畑へいっていて、子どもたちが半日畑で遊ぶこともあるが、お出かけなどはなかなかできない)




Q.なぜ農業をやろうと思ったのですか?
  また、キャリアへの未練はありませんでしたか?
 
 A.農業は、いつか二人で働けたらいいねという話をしていたところから、私が野菜に興味があり、瞬(旦那さん)が環境に興味があって、その二つを折り合わせて行きつきました。親戚の農家の様子をを幼少期に見ていたことも大きく影響していると思います。キャリアについては、私は西友で9年間働いて、色々な部署で仕事をしてスキルアップをしてきて自信もついてきてたから、キャリアに未練もありました。
辞めるのも悩んだけど、3人目の妊娠でなんか吹っ切れて、このままじゃキャリアを極めていくのも、子育ても、どちらも中途半端になっちゃう と思い辞める決断ができました。やっぱり、女性が子育てしながらキャリアも極めるってむずかしくて(男女平等と言えども、子育てにおいて女性しかこなせない役割が多いのも現実)…。でも自分の人生において、会社においてキャリアを極めることよりも、収入が少なくても有機農業をやること、子どもを産み育てることに価値を感じての選択なので、現状に後悔はないです。
 今では、お金で何でも買えてしまって、時間をかけないことも容易にできます。けれど、子育ても、農業も、生活も、その一つ一つに手間をかけて、付加価値をつけて豊かにしていこうと思っています。




最後に中学生に向けて、メッセージをお願いします!
 企業勤務していた時は、英語がとても役に立ちました。これからの時代は、海外とかかわることなしに生活していくのは無理だと思います。私は中学生の時に海外に関心を持ったおかげで、高校時代にホームステイをすることができて、それはキャリアにも大きく生きました。海外に関心を持ってください。
 もうひとつは、いまやっていることを一生懸命やってください。いま経験していることが将来的には財産になるし、キャリアにもつながっていくかもしれません!


図4




*インタビューを終えて
  職場の環境をよくして、働きやすくするという目的で、育児補助等の制度を設けている企業は授業でも多く見てきましたが、実際にその制度を使っていた人のお話を聞くことができて、制度の向こう側を見れた気がしました。また、働き方を変えていくというのも一つのキャリア形成の形であると思いました。制度を利用することによって子育てをしながら働くことはできても、それはちゃんと子育てをしているといえるのだろうか。 大きな問いをいただいたような気がしています。  


有機農園けのひ さんのブログ
http://blog.livedoor.jp/shun0301-notenki/archives/4500634.html
 
 









 

【テーマ】家族の世話をしながら働きやすい職場(A班)
【取材先】株式会社ソニー・コンピュータエンタテインメント 渉外部
      加藤 優さん
【メンバー】青山由佳 小林貴治 斉藤詢子 中村雅代 郷優里 高橋怜美


現在、夫婦共働きが珍しくない時代となってきており、子育てと仕事の両立を意識する傾向が強くなってきています。こうした傾向から、さまざまな企業側がその両立を重視した制度や環境の整備を行っています。 
私たちは、子育てをしながら働きやすい職場について調べ、ワークライフバランスの推進を行っている、株式会社ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)という企業に取材に行ってきました。

まず、SCEがどのような企業なのかご紹介します
1374912758215●企業の理念
世界でいちばん面白いエンタテインメントを創る。
ゲームだけにとらわれず、他のエンタテインメントともクロスオーバーして、新たなエンターテインメントを提供していく。
●企業の事業内容
PlayStation®3、PlayStation®VitaおよびPSP®(PlayStation®Portable)関連ハードウェアおよびソフトウェアの企画・開発・製造・販売。会社訪問の受け入れや、子ども達へゲームを通したキャリア教育を行うなどの社会貢献活動も行っている。
●従業員数
約1400名(2013年4月1日現在)

今回は、こちらの企業の渉外部で働いていらっしゃる加藤優さんにお話をお伺いしました。
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Q1.ワークライフバランスなどに関連する、主な両立支援制度を教えてください。

子どもが1歳になる翌年度の4月15日までまたは1歳2か月に達する日の月末までの最大2年間、育児休暇を取ることができます。また、育児休職期間中は月額5万円の育児支援金が支給されます。さらに、子どもが小学3年生になるまでの間で3年間は育児短時間勤務という、9:30~16:30という子育てをする母親のための制度もあり、私は現在、この制度を利用しています。


Q2.加藤さんが働いている渉外部では、どのようなお仕事をされているのですか?

渉外部は主に警察や省庁、教育機関や学生などの外部との関わりを持つ仕事をしていて、中でも私は企業の教育貢献活動の仕事を担当しています。
職場環境は部署や仕事内容によっても異なりますが、相談すれば働きにくいということはなく、この環境は恵まれていると思います。ただ、やはり人と接する職業なので、約束のスケジュールを調整したりする面では大変さはあります


Q3.子育てと仕事の両立で一番大変なことは何ですか?

一番大変なのは、子どもが病気になった時ですかね。いろいろと周りの協力が必要になります。周りというのは、親や企業、保育園、地域などの全てのことです。けれど、子どもが病気の時には有給休暇を使うことができ、さらに制度もきちんとあるためそれで乗り越えていっています。


Q4.両立支援制度を取り入れるために企業内で行っている工夫はありますか?

社内の他の人が代替で仕事をカバーできることや、ジョブローテーション、時短勤務ができることなどですね。
他にも、SCEワーキングマザーズミーティングというものが年に1回あり、育児休業から復帰する際に仕事に復帰しやすくするための話し合いや、お母さん同士の交流の場が設けられたりしています。
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最後に…
中学生へのメッセージをお願いします。

今は友達との交流や部活動、勉強などやるべきことをしっかりやって、学生生活を楽しんでください。将来に関しても、やりたい仕事を選んでやれたらいいと思うし、そのためには努力も必要なので頑張ってください。また、仕事と結婚や出産を両立していくことなどを考えると、難しく感じるかも知れませんが、あまりネガティブに考える必要はありません。子育てと仕事の両立のために力を協力してくれる周りの人や環境に感謝して、その中で自分の力を発揮できる職場に巡り合えたらいいですね。


インタビューの内容は以上です。子育てと仕事の両立支援制度については、企業によってさまざま異なるとは思いますが、今後さらに制度の充実や環境の整備が進むとポジティブに考え、今やるべきことをやっていく中で、ゆっくりと時間をかけて自分の理想のライフスタイルについて各々考えていければいいなと思いました。

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「体力にハンディーキャップがある人の豊かな働き方」


取材先:NPO法人支えあう会「α」 
メンバー:北林峰明・山田和香・若林恵梨・山瀬久美子・伊藤柚貴


私たちは今回、NPO法人支えあう会「α」に取材に行ってきました!!!

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   NPO法人支えあう会「α」とは・・・??
“がん”体験者を中心に家族・医療関係者・がんに関心を持つ人たちが参加するがんの患者会です。
病気を抱えながら生きていくことの難しさや、それを支えることの困難さを共有しあいながらも、各人が「自分らしく納得して最後まで生ききる」ことをめざし、仲間同士で支えあう活動をしています。




運営スタッフは全部で4人!そのうちの3人が、がんの経験者です。


キャリア教育




NPO法人支えあう会「α」の主な活動

 ・親睦・交流事業
お花見や親睦旅行など、季節の行事を通して患者さんやご家族が交流する場を提供しるそうです。

 ・相談支援事業
第1・第3水曜日に行われている「α」サロンでは、お互いの病気や後遺症、普段の生活についてなど、がんの患者さんやご家族が集まり語り合ったり、個別のがん相談にも対応しています。他にも、県内の病院などに出向き出張がんサロンも開いているそうです。

 ・イベント事業
毎年、がんに関する連続講座「がんについて学ぼう!話そう!」を開催しています。この講座は、30人くらいの学習塾くらいの規模でじっくりとがんについて学んだり、ディスカッションをしているそうです。他にも、2008年より開催されている千葉県がん患者大集合やリレーフォーライフin千葉にも毎年参加しているということです。

 ・「リレーフォーライフin千葉」の様子

 ・アメリカ発祥の活動で日本では2006年から行われています。がん患者、その家族、支援者が地域社会とともに戦うための絆をはぐぐむためのチャリティーイベントです。24時間チームで思いをつなぎながら共に歩き、語らうことで、生きる勇気と希望を生み出したいという想いが込められているそうです。

 ・24時間というのは、「がんは24時間眠らない」という意味が込められているそうです。

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 ・NPO法人支えあう会「α」では、他にも年4回発行される会報で正確な医療情報の提供や、さまざまな活動で、がんの患者さんやご家族を支援しています。




 インタビュー

①NPO法人支えあう会「α」さんがサロンで大切にしていることは何ですか?

→ガンにならなければ出会うことがなかった人たちとの交流の場を提供することで、がんについて安心して話すことができたり、辛さや不安を分かち合い「泣いてもかまわない場」でありたいと考えています。



②がんについて生活習慣病が原因ととらえている人もいますが、それについてどう考えていますか?

→生活習慣が影響するがんもいくつかありますが、多くのがんははっきりとした原因はわかっていません。簡単に生活習慣病とは言えないのです。がんになった人が悪いという誤ったイメージで傷ついてしまうこともあります。
また、がんになったことによって仕事を辞めたり働き方を変えなければならなくなる人も多くいます。がん患者さんの就労の問題への取り組みはまた始まったばかりです。

③がんが治ったら普通に働けますか?

→がんという病気は治療が終わっても、再発という不安を完全に取り除くことができません。しかし、治療が終われば、多くの方が普通に働くことができます。




 最後に・・

 NPO法人支えあう会「α」の方々が中学生たちに伝えたいこと。
現在、日本人の2人に1人が、一生のうちにがんになるといわれています。がんは特別な病気ではありません。誰もががんになる可能性を持っているのです。子どもの時にがんを経験する人もいます。小児がんの7~8割は治るといわれています。しかし、長期にわたる入院生活はいろいろな面で学校生活に影響を与えることもあります。
がんという病気を正しく理解してください。そして、もし、あなたのまわりにがんと闘っている人がいたら、あなたにできる形で応援してください。




インタビューを終えて

 私たちは今まで、ガンというと生活習慣病の一部という考え方しかなく、それ以上のことは何も考えずに ガンという病気と向き合ってきました。しかし、今回支えあう会「α」さんから、ガンについての正しい知識を知ることの大切さやガンなどの病気を抱えながら生活をしている方々の体験談を聞かせていただき、今後教員を目指す私たちにとって、ガンなどの病気に対して、児童生徒が偏見や差別をしないような教育環境づくり、サポート環境の充実を考えていく必要があるのだと感じました。

【テーマ】家族の世話をしながら働きやすい職場(B班)
【取材先】株式会社アイエスエフネット
     代表取締役 渡邉 幸義さん
【メンバー】松岡由貴 長田準 島袋由衣 下山田詩織 山内美沙希 藁谷恵

私たちはテーマである『家族の世話をしながら働きやすい職場』を実践している企業に話を伺うことにしました。そこで見つけたのが、ISFnet Groupです。この企業は障がい者雇用やワークライフバランスに力を入れていて、第6回ワークライフバランス大賞受賞などの実績もあります。今回は、ISFnet Group 代表の渡邉幸義さんにお話を伺いました。

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ISFnet Groupとは?

「E&E (Eco&Employment)環境保護&雇用創造」をグループの大義としていて、IT事業をはじめとした多種多様な事業を展開し、あらゆる人々へ雇用環境を創出、やりがいを持って働くことのできる社会づくりに取り組んでいる企業グループです。グループの母体企業である(株)アイエスエフネットの仕事内容は、システム構築に関する設計、施行、保守およびコンサルタント業務、有料職業紹介業務、特定労働者派遣事業などであり、業種としては情報・通信に分類されます。また、人財/雇用創造/育成ソリューションとして行われていることには、障がい者雇用サポートサービスやニート・引きこもりの方々への就労環境の提供などがあります。具体例として、引きこもりの方に対する就労環境の提供は、グループ内にある就労支援を主としたNPO法人に入って1年間の訓練を受けてもらいます。初めは出勤して1時間オフィスにいて、徐々に時間を増やしていきます。その後、無事に卒業できてから雇用という形がとられていて、ただ雇うのではなく社会復帰から始めようというケアです。

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企業理念
まずは、渡邉さんがこの企業を立ち上げるまでの話を聞かせていただきました。22歳のとき外資系の企業で働き、32歳で独立、36歳で会社を立ち上げましたが、大きな借金を抱えてしまいました。そんな時でも、渡邉さんは必ず結果が出ると信じて経営の勉強を続けられ、ある人に「人として当たり前のことを当たり前にできることが大切なのだ」と教えられ、勉強に励んだ結果、今のように成長できたということです。
このような強い意志をもった渡邉さん率いるISFnet Groupの基本理念は、“ISFnetに関わるすべての人々の環境の創造と幸せの追究”です。お金や経営のことだけでなく、常に自分の判断軸が人とあっているか、人として正しい行動をしているかを考えることが大切にされています。
この理念に基づいて、ISFnet Group では、例えば従業員が病気にかかってしまってこれまで通りに働けなくなったとしても、その人の分を周りが頑張りフォローします。また、会社が危機的状況になった場合でも対応できるだけの貯蓄が行われています。これにより、従業員は安心して働くことができます。また、子どもが居る人のために託児所の設置や出勤時間の融通が利くなど環境が整えられており、育児休暇からの復職率はほぼ100%となっています。


ISFnet Group では、「20大雇用」という、様々な事情で就労が難しい方々に対して、安心して働ける環境を創造し、継続する取り組みが行われています。

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Q,「20大雇用」の考え方は素晴らしいと思いました。しかし、多様な人を受け入れることで、弊害が起きることもあると思いますが、気を付けていることはありますか?
A, 多様な人がいる中で、常に利他目線で行動することを意識しています。伸びている会社は、お客様の意見・要望に応えているから伸びているのであり、これは相手のことを考える利他目線にたっています。
  また、社員が言いたいことを言えないような会社は成長しません。一人ひとりに個性があるのに、みんな同じ行動をとるのはおかしなことです。そのような状況を防ぐためにも、積極的に社長にも意見が言える環境を整えています。具体的には、障がいがある方とのコミュニケーションをとり、障がいについて知るための講習や、本音を言う本音会議が開かれました。現在では、社長を筆頭にピラミッド体制をつくり、下から意見を吸い上げていき、解決策を作っています。
  そして、この社会で絶対的なことは「学生が納得できないことは、社会でも受け入れられない」ということです。この会社では、学生と社会のギャップがない世界を作りたいです。


Q,御社の最終的な目標は何ですか
A, 世界中に障がい者が働ける環境をつくることです。フィリピンやベトナムに進出する予定があるなど、今年は新たに3か国を作る予定です。世界195か国で障がい者雇用プログラムを作ることが目標です。


Q,中学生へメッセージをお願いします。
A,夢は持とうとして持てるものではありません。人として大切なこと、正しいことをやり、利他目線で行動して他人の欲を満たして初めて、自分のやりたいこと・やるべきことが見つかります。これが夢になり、夢が実現に近づけば目標に変わり、また夢ができるという循環が生まれます。これは、利己目線でいては続けられないことであり、一度正しくないことをすれば必ずボロがでます。だからこそ、利他目線で正しい行動をし、裏表のない世界作りが大切です。

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インタビューを終えて
 今回話を聞いていて、人として大切なこと・正しいことをするという理念が常に軸になっていて、渡邉さんが今までこの理念を信じ続けてきた心の強さを実感しました。今回案内していただいた中原さんは、渡邉さんの人柄、理念そして目をみてついて行こうと決めたそうです。このような理念のもとであれば、自分の家族に世話が必要な人がいても、周囲のサポートによって仕事と世話を両立させることができるでしょう。また、自分の意見を言いやすい環境があるため、両立のための要望をだしたり、苦痛をためずに話したりして、精神的にも余裕が生まれると思います。このような働き方が世界中に広まり、良い循環が生まれるといいです。

【テーマ】子どもの福祉にかかわる新しい仕事(B班)
【取材先】千葉市中央区保健福祉センタ―こども家庭課 職員の方々
【メンバー】有常洋菜 池田美波 斎藤千景 鈴木友香 高橋亜美


 私たちは「児童虐待」について詳しくお話をうかがってきました。

まずは「こども家庭課」さんのお仕事をご紹介します

1.各種手当の支給と医療費の助成に関すること
2.お子さんのお預かりに関すること
3.ひとり親家庭の支援に関すること
4.子育て支援、児童虐待防止に関すること

等があり、それぞれの業務に担当の方がいらっしゃるそうです
(千葉市中央区保健福祉センター こども家庭課 所管事務の概要より http://www.city.chiba.jp/chuo/hokenfukushi/kodomokatei/)

ここからは児童虐待についてお話しますね

皆さんも「児童虐待」について聞いたことがあると思います。

千葉市でも虐待は増加傾向にあるそうです。基本的には児童相談所が対応をするそうですが、千葉市は政令指定都市なので市に児童相談所があります。
(児童相談所は通常都道府県にあるんです・・・!)


―こども家庭課さんのお仕事をもっと詳しく知りたい!―

ということでインタビューの内容をまとめました
Ans.
泣き声通告の対応
 こちらは3年前から区での対応が始まりました。割と最近ですよね。泣き声通告には次のような流れがあります。
 
 
 通告(「なにかおかしいな」と思うことがある人からの電話を受けます)
 ↓
  予備調査(虐待を受けているのではないかと思われる子どもの安全を確認するための調査をします)
 ↓
 
  家庭訪問(子どもの安全を確認しにお家を訪問します。この時「○○さんから聞いたのですが・・・」のように通報した人の名前が出ることは絶対ありません!!

 ↓
  報告(帰ってきたら報告をします。児童相談所の方へも報告をし、情報共有をします)

千葉市要保護児童対策及びDV防止地域協議会のとりまとめ
 市役所の各課の方、お医者さんや弁護士さん等が参加する代表者会議や、市役所の各課の方、児童相談所、地域の代表の方々等も参加する実務者会議があります。
 
 ここでは要保護児童やその家庭についての情報交換・共有をするそうです。 

電話相談の対応
 週4日、家庭相談員の方が育児等に関する悩みを電話で聞いてくれます。子育てのアドバイスなどをしてくださるそうです。

―通告や電話相談ということばがでてきましたが、どんな相談があるんでしょうか―

Ans.
子育て相談が多いそうです。(ひとり親の相談含む)
また、「児童虐待防止法」では通告が義務付けられています。
親族や隣人からの通告・病院からの通告等があったら泣き声通告はこども家庭課が、その他の通告は児童相談所が対応します。
(児童相談所は18歳以下の子を一時保護もできます。)

支援やアドバイスを通して協力して地域を守ることが大切だそうです!!

―どんなことに気をつけていますか?―

Ans. 
個人情報の保護や言葉遣いに気をつけているそうです。例えば「虐待」と言うことばは初期の対応ではあまり使わないそうです。

―家庭や地域でできる対策はあるのでしょうか―

Ans.
子どもを虐待から守るための5か条」というものがあります。

1.「おかしい」と感じたら迷わず連絡    勇気を持って通告しましょう!
2.「しつけのつもり・・・」は言い訳      子どもの立場で判断して!
3.ひとりで抱え込まない           あなたにできることから即実行!
4.親の立場より子どもの立場        子どもの命が優先!
5.虐待はあなたの周りでも起こりうる   特別なことではないんです!

―やりがいを感じるのはどんな時ですか?―

Ans.
明確な目標設定が難しい仕事です。目標を立てても、ものすごい時間がかかってしまいます。
しかし、様々な支援をして、
・虐待行為に頼らないしつけができるようになりました!
・子どもとの関係が良好になってきました!
・子どもが無事に成長しました!

という状態をみることができるのがやりがいだそうです



―最後に、中学生の皆さんにメッセージをお願いします!―


皆さん、「オレンジリボン」というのは知っていますか?
オレンジリボンは児童虐待防止のシンボルで、栃木県の幼い兄弟が虐待でなくなった事件から、幼い命を守るために始まったそうです。
11月は児童虐待防止推進月間と定め、国や自治体・関係団体が様々な啓発活動を行っているので、興味のある方は啓発活動に参加してみてください。

皆さん、いかがでしたか?
私たち大学生も知らないことがたくさんありました。まずは、私たちにできることから始めてみましょうね

子どもの福祉A班
【テーマ】子どもの福祉にかかわる新しい仕事
【取材先】田村光子先生
      植草短期大学講師、児童福祉系を専門とする子どもの現場に関する委託事業を受け持つ
【メンバー】北野志歩 鈴木大地 高橋拓也 野崎孝太 久野奏貴

私たちのグループは千葉大学の特別支援教育特別専攻科出身で小学校の教育免許を持っている田村光子先生に、子どもの福祉についてお話を伺いました!

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その理由は!
→みなさん〝こどもカフェ〟という団体を知っていますか?この団体は、家庭や学校に居場所がなく、見守りが必要な子どもたちを支え、一緒に勉強したり、親や学校の先生にも言えないことを気軽に相談したり、また、仲間と遊んだりするなど、子どもたちにとって安全・安心で気軽な居場所を提供し、だれもが自由に遊び、そして学びながら地域全体で子どもを育てていくことができる場所としての機能を目指して活動している団体です。私たちは子どもの福祉について千葉県内で探しているうちに、この〝こどもカフェ〟という団体に興味を持ち、そこから子どもの福祉について考えてみたいと思ったためこの記事を書こうと思いました。(田村先生はこのこどもカフェでボランティアとして活動されている)


それでは早速、田村先生に子どもの福祉についてインタビューしてみましょう!

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Q1,どのような経緯で福祉関係の仕事に就くようになったのですか?
A)
福祉の方へ進んだきっかけは母から学校の放課後の子供たちを見てほしいというボランティアの誘いが来て、それをやってみたところ、家にいても一人でいれず、ずっと手を握っていないと居られない子や、家で騒ぎ出すなど何をするかわからない子、特別な障害があって寄り添ってご飯を食べさせないといけない子などと出会い、福祉について興味を持ち始めたから。

Q2,こどもカフェを運営する上での苦労は?
A)
発する言葉に気をつけなくてはならないこと。両親がいるのが普通というわけではなく、中には片親もいるしあまり親に干渉されない子もいる。そのためこちらが普通と思って話した内容が子供を傷つけてしまうこともある。また、発達が遅いとまでは言い切れないが、自分の感情を抑制しきれない子もいる。そのような子には叱り方に注意をとても払う。このように小さいことではあるが、実際には大きな影響を与えるような要素が多くあること。参考程度だが、特別支援の子(そこにいた子)の母は専業主婦が多く、それは、子どもが施設や学校から帰るときに一人で帰れなくなり、お迎えに行く必要があるから。


Q3,新しい福祉の仕事として現在どのようなものがありますか?
A)
障害のある子の家まで行ってご飯を作ったり、世話をしたりするようなものがある。普通のように聞こえるがこのような仕事が出てきたのはごく最近のことで、家政婦とは違って家の仕事をするのではなく、子どもの世話に特化した仕事である。

最近はよくわからない空地というものがなく、子どもたちが自由に集まって遊べる場所がないので、そのような場所を提供してあげること。イメージ的には、ドラえもんに出てくるあの公園のような、空き地みたいなとことにみんなが集まって遊べる場所のこと。最近は便利になってきている分、無駄な場所(と言ったら過言かもしれない)がなくなってきているため、このようなことが必要になっている。


まとめ
福祉として子どもに焦点を当てると、その子にとっての「居場所」を作ってあげることが大切であると考えた千葉市が植草大学に委託したところ、田村先生がそれを引き受け、子どもカフェという名の子どもの「居場所」をつくってみた。そこでは「みんな」を受け入れているが、様々な環境の子供がいるため、一人一人に寄り添ってあげることが大切となってくるため、こどもカフェで活動する大人たちにも能力が求められてくる。美浜区高洲にあるこどもカフェはまだ新しくモデル運営であり、こういった場所を増やしていくことも新しい福祉の仕事である。

高洲にあるこどもカフェのHPはこちら



~インタビューを終えて~

親や周囲の環境により、自ら望まずに居場所をなくした子どもたちにとって、こどもカフェのようなところは自分の居場所を見つけるきっかけとなるので、これから新しい福祉として発展させていくことが大切だと感じました。
また、自分と環境の違う場所にいる子供たちが自分の当たり前にやっていることをまるでできていない、そういう現状を聞いて今の自分の状況のありがたさや、また、恵まれない環境でのキャリアの積み重ねることのむずかしさを思い知りました。



最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
もし、今自分の居場所がわからなくなっているならば、一度こどもカフェに足を運んでみてはどうでしょうか?





《テーマ》異文化との共生にかかわる仕事
《取材先》ブリティッシュ・カウンシル 英語講師 スティーブン・ジャービス
《メンバー》篠崎伸子 山本愛 加藤彩 小菅貴彦


私たちのグループは「外国の方がどんなことを考えながら日本で仕事をしているのだろうか」という理念のもとブリティッシュ・カウンシルという企業のスティーブン・ジャービスさんにお話を伺ってきました。

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まず最初に「ブリティッシュ・カウンシル」という会社がどういう会社なのかを説明します!(`・ω・´)
〇ブリティッシュ・カウンシルは、教育機会と文化交流を目指す、英国の公的な国際文化交流機関です。1934年より世界中で活動を広げてきました。現在は、日本を含む世界100以上の国と地域で190以上のオフィスを展開しています。 (http://www.britishcouncil.jp/about引用)
                             
教育という分野でたくさんの国とつながっているみたいですねΣ(・ω・ノ)ノ



では、本題ということでスティーブンさんの話に触れていきたいと思います!(*^・ェ・)ノ



疑問① 仕事内容は何ですか?!
→おもに、子供(中学生)に英語を教えている。もちろん大学生にも。また、月に一度ブリティッシュ・カウンシルでミーティングがあり、情報交換などをしている。また、年に一度全スタッフが3日間に分かれてミーティングをする場が設けられている。そのうえ、年度末には今までの教え方をフィードバックし向上させていくためのミーティングがある。

★ミーティング多い!!!!!









疑問② 仕事で苦労すること(日本で仕事するにあたって)は何ですか!?
→日本語の英語教師と教え方であわないことがあり、互いにフラストレーションを感じることがある。特に日本では教え方が違う。生徒に対して厳格で、何でもかんでもコントロールしようとする先生とはうまくいかなく衝突することもある。私は英語はリラックスした環境でこそ伸びると考えているし、生徒の活動が多い授業を組み立てたいと考えている。

★やはり、日本と諸外国では考え方が違うのか…個人的にはこの話では日本のやり方は好きじゃないな(*`Д')




疑問③ 仕事で満足していることは!?
→日本に長くいるので、新しく日本に来たばかりの外交人スタッフを助けられること。日本暮らしていくことは、我々外国人にとって、とても快適だ。

★すげーやさしい。思いやり強いなぁ…自分もこんな大人になりたい!!(´・ω・`)





疑問④ なぜ日本にきて働こうと思ったのか!
→10歳~15歳のころ、日本の文化(食、雑誌、趣味、ビデオゲーム)に興味を持ったのが日本に興味を持ったきっかけ。そして、たまたま日本で働くチャンスがあるのを知り、9年前に日本に来た。


★子供のころから日本に興味があったとは、すごい……w(゚o゚)w オオー!




今後の展望・夢は?!
→大人を教えることが今では興味がある。大学などで大人に教える機会を増やしていきたい。私は大学ではグラフィックデザインを専攻していたので、授業で使うプリントや教材などで内容はよいのにデザインがいまいちなものを、さらに良いものに造り替えていきたい。こういった技術をもっと教育に取り入れていきたい。

★内容だけでなくデザインにまで……我々大学生も広い視野で物事を見るべきだなぁ(; ̄Д ̄)




千葉大生・中学生へのアドヴァイスをお願いします!
先生が話をしているときは集中して聞きましょう。そのうえ授業だけを頼りにするのではなく自学自習の精神を大切にしましょう。また、本をたくさん読みましょう。たくさんのことに興味を持ちましょう。

★やっぱり本は読むべきやな!…よし、私も読もう!!!(`・ω・´)





※最後にスティーブンさんから一言!
Don't be afraid to make a mistake.(間違いをすることを恐れるな!!!)



ではでは最後にスティーブンさんの笑顔で終わりましょう(*・ω・)ノ
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異文化B班
【テーマ】異文化と関わる仕事
【取材先】森山たつを さん(海外就職研究家)
【メンバー】福島嵐 松本美保 ギミルハリパラサド 森川大地


私達の班は日本人が海外で働くことに詳しい森山たつをさんから、多様性のある働き方についてお話を伺いました!

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海外で働くなんて、エリート!という印象がありますが、森山さんは「以前は存在してもアクセスしにくかったけれど、今では機会は増えており、普通のサラリーマンに海外で就職するという選択肢もありますよということを示したい」と話してくれました。

さて、海外での仕事というのは、どのようなものなのでしょうか?
それを知るためのキーワードは、「日本人の特質」と「専門性」!
では特に専門性のない日本人をイメージしてみましょう。
日本語が話せて、真面目な気質を持っています。寿司という食べ物がどのようなものかよく理解しています・・・このような人には、コールセンターや日本食レストランで働くという道があります。しかし他の仕事はあまりないそうです。
日本で数年働き、業務についての知識がある人は、その経験を生かして働ける可能性があります。売りたいものがある現地企業と取引をしたい日本企業の間に入って業務を円滑に進める役割を担うなどの仕事があるそうです。

また、「日本人の特質」については、日本にいると当たり前のこととですが、時間を守る、品質管理やお金の管理などで規律を守るという気質は海外に出ると一つの価値になる!ということも教えて頂きました。

業務や業界についての知識・経験などの「専門性」もその人についての大きな価値です。
そのため森山さんは、新卒ではなく、3年ほどは日本で働くことを勧めているそうです。
加えて、英語や現地語の語学力があればなお良しです!!

なぜ専門性が必要かというと、ビザの下りないという問題があります。
森山さんが今東南アジアを中心に活動している理由は、東南アジアがどんどん経済成長しているから。
他の先進国は経済の停滞で、外国人向けの仕事はなかなかありません
それは自国民の雇用を守るため、ビザの発行が厳しいためです。
森山さんは、今後はインドがどんどん経済発展する。経済成長している国と取引したい企業は多くなるが、現地の文化を知り、仲介してくれるような人はなかなかいない。そのような国で、貴重な存在の人間になれたら仕事の幅が広がる・・・
だから「人と違うことをしよう!」と言っていました!


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文化の違いに悩むことも
例えば製造業では、時間を守らない現地の労働者と、納期に厳しい日本の取引先との板挟みになって大変な思いをすることも・・・
また、宗教をとても大切にする文化の国では、お祈りの時間は仕事を中断せざるを得ず、はじめは驚くことも多いそうです。


お給料が違うのでは
日本で働いていると、勤続するにつれて給与も高くなることが予想できます。
日本で多くの給与を受け取っている人が海外転職する場合は下がる可能性があるのは当然です。
逆に今はあまり多くの給与を受け取っていない若い人にとっては、給与が上がる可能性はあります。
そのため若いうちの方が外に出やすいと言えるでしょう。

働きすぎの日本人
もりぞおさんは日本人の働き方を野球に例えて話してくれました。
「野球は9回まであります。日本の働き方も当然9回まであるという設定で仕事がまわっています。7回くらいで終わりましょ、ということにしてその中で仕事も設定できればいいのですが・・・」
日本人の長時間労働については授業でも何度も出てきています。
加えて、「これから人口も減って行くにも関わらず時間を短くするのは実践しにくいのでは。もっと経済が上向きの時代に、働き方を変えられていけたら良かったけれど、これは難しい問題」と森山さんは話してくれました。
また、ワークライフバランスについては、ワークとライフの両立ではなく、ライフの中の様々な要素としてのワークであるという社会になればもっと良いという話がありました。
それぞれの要素がどれだけの割合を占めるかはその時期によって異なるため、その割合を柔軟に調節できるような社会にできればと思います。
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大学の改革
最後に、教育の話をされてもらいました。千葉大学もグローバル人材育成に力を入れているように、国がお金を出して多くの大学で取り組みがなされています。
今はまだ駆け出しの時期ですが、英語で単位を習得する過程を整備したり、職員の英語レベルを向上させる等、大学も改革が必要です。

しかし、本当にグローバル人材を育てるならば、小さい頃から英語に触れ、遅くとも高校生くらいの年齢には海外で学ぶのがよいと森山さんは話します。
また、英語だけでなく、ぜひ小さい子には「いろいろなことをしていいんだよ」と教えてほしいと言っていました。前半にも「人と違うことをしよう!」というメッセージがありましたが、やりたい!面白いと思うことを尊重し、どうやって実現しようかな?というのを考えながら学べる活動を行なってほしいと言っていました。
社会を変えていくのはやはり子どもからです!」というメッセージは私たち教育学の学生へのエールのようでした。

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最後に、多様な働き方について一冊の本を薦めて頂きました。
『未来の働き方を考えよう』ちきりん著
先日発売されたばかりのちきりんさんの新著です。
キャリア教育について考えてみたこの機会に手にとってみようと思います

今回は異文化と関わる仕事というテーマで、海外での仕事の現状や、多様性のある働き方、グローバル人材育成についてなど、幅広くお話を聞かせて頂きました
お話を聞かせてくださった森山たつをさん、本当にありがとうございました!

森山さんのホームページはコチラ!
もりぞお海外就職研究所http://morizo.asia/


【テーマ】 異文化との共生にかかわる仕事(D班)
【取材先】 千葉県UNICEF協会 福本朋子さん
【メンバー】 西山夏奈 石川友貴 和田泰徳 古川南 山下茜 井上滉也


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私たちD班は、様々な国で活動を行っている千葉県UNICEF協会に取材に行ってきました。



UNICEFと言えば募金というイメージが真っ先に浮かびます・・・・
募金以外にはどのような活動をしているのでしょうか?



県内の小学校や大人向けに学習会やワークショップがあります。
世界の子どもたちが実際にどんな生活をしているかなどを
みずがめや地雷など実際に見せたりしながら
一緒に支援について考えたりしています。
お祭りに参加し、遊び(スーパーボールくじ30円)で売上を募金の一部としたりもします。
と、同時に100円で世界の子供のためになにができるか、
幅広く知識を広めていく場となっています。

また、ゴルフなど大人も参加できるものもあります。
参加費を募金とし、
参加者は楽しみながら募金を行い、
気軽にユニセフに参加してもらっています。



地雷やみずがめとはどんなものですか?


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地雷;ヘリコプターから落とし、興味を持って近づいた人を攻撃します。今でも、5,000~6000個程度埋まっているとされています。



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みずがめ;水をいれると20キロにもなります。10歳の女の子が家族のために水汲みを行い、
学校にも行けないのが現状です。


支援する国はどんな国?

5歳になるまでに亡くなる子どもの数が1つの大きな指標です。
日本では、1000人中3人です。
一方で、アフリカの国の中には1000人中200人亡くなってしまう国もあります。
およそアフリカの国の半分はこのような現状です。

オリンピックは200カ国ほど出場しますが、
UNICEFは150以上の国と地域を支援しています。



どんな支援をしているのですか?

衛生的な部分はもちろんですが、
国に合わせた支援を行っています。
習慣や宗教も違うので、個々の国に応じた調査、モニタリングをしっかり行った上で、
現地のNPOとも協力しながら支援を行います。

教育の大切さを説きながら、先生を育てる活動も行っています。
一方的な支援ではなく、共に同じ方向(未来)を見据えて、
政府とも一緒に活動を行っています。



現地で働く人とはどんな人ですか?また、どんな資質が必要ですか?

初めにNGOなどで経験を積んでUNICEFの職員になる人が多いですね。
健康的かつある程度英語に堪能な人です。
現地に行くには試験などもあり、
いくつかの項目をクリアした人が現地で働いています。



UNICEFの活動をしていてよかったことはなんですか?

いろいろな人との出会いがあるのが楽しいです。
こうして取材を受けるだけでも、何人かの人がこの取材をきっかけにUNICEFに興味を持ち、
いつか現地で働くかもしれません。
また、学習会などの活動を通して、子どもたちの将来への1つのきっかけになれば嬉しいです。


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福本さん、長時間の取材にも関わらず、
笑顔でのインタビューありがとうございました!

UNICEFは募金がなければ活動できない。

募金の輪が広がれば、自然と笑顔の輪も広がっていくのではないでしょうか。
そんな気がしました。

一緒に同じ未来を見据え、
協力を大切に仕事をやっていく。

UNICEFはまさに異文化同士を「支援」という2文字でつなぐ、
そんな素敵な職場でした!

この記事を読んで興味を持たれた方、
一度UNICEFの活動に参加してみませんか?


僕たちの拙い記事で、UNICEFの活動、そして仕事について興味を持って頂ければ幸いです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます!


日本ユニセフ協会のHPはこちらから

【テーマ】異文化との共生にかかわる仕事(C班)
【取材先】株式会社JALスカイ 成田事業所 総務部 三浦沙文さん
【メンバー】田端明日香、髙橋和樹、五喜田絵里、徐吟舒、梅田千夏

 現在私たちの周りには、技術革新やグローバル化によりたくさんの異文化と共生する仕事があります。海外に会社を持つ企業や、世界を相手に取引を行う会社など、仕事内容も様々です。ですが今回は中学生の皆さんにわかりやすくお伝えするために、その中からまさに「世界と日本をつなぐ窓口」である空港のグランドスタッフの方にお話を伺うことにしました。
普段私たちが旅行に行くときに、やさしく見送ったり迎えてくれたりする空港のスタッフさんは普段どんなお仕事をしているのか、どんなことを考えているのか、未知の世界を覗いてみましょう!

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[取材内容]
異国の方々とコミュニケーションをとる際に意識していることは何ですか
・日本文化を当たり前と思わないこと
 Ex)宗教・・・イスラーム教の人々に「メリークリスマス」はタブー
 時間に対する感覚・・・欧州の人々は時間にルーズ。指定された時間より30分遅れても大丈夫だろうという感覚。そのため飛行機のフライトの時間については、じっくりと説明する。

必要とされる英語力はどのくらいですかまた、必要な他言語とは
TOEIC○点以上や英検○級以上といった明確な規定はない。
英語を好きである気持ちがあればよい。
英語力がないからといってあきらめる必要はない。

韓国語と中国語を使う機会が多い。フィリピンなどは英語を話せる人が多いが
中国と韓国の特に年配の方は母国語以外話せない人がほとんどである。

異文化との共生で持つべき心構えは
日本と異なる文化に対して「なんで?!」と否定的に思わないこと。ジョークの見分け方などに苦労したとのこと。育ってきた環境が全く異なる人々に対応するため、固定概念を捨て去る必要がある。三浦さん自身、大学時代に異文化について学んでいた。その経験が今でも生きているとのこと。

仕事内容、スケジュールについて
業務は大きく分けて二つ
Ⅰ)旅客サービス
Ⅱ)オペレーション

そこからさらに分岐し、
旅客サービスについては
・ラウンジ
・VIP対応
・チェックイン
・搭乗口対応
・手荷物管理
に分かれている。

オペレーションについては
・コントロール…食事や座席の管理
・バランス…機体のバランスを計算し管理
・ロードコントロール…航路の管理
に分かれている。

早番の日は5:30~14:00
遅番の日は14:00~22:30
四勤務二日休制をJALではとっている。

なぜJALで働きたいと思ったのですか

小さいころからJALを利用しており、当時行っていたイベントやお姉さんの対応が強く印象に残ったから。
 
~三浦さんより中学生に一言~

私が中学生のころは自分が将来何をしたいのか全く見当がつきませんでした。高校、大学と進むうちに少しずつやりたいことが見えてくるはずです。明確な夢があるならばその夢に一直線に進めばいいと思います。見つからないのなら、焦らず、今しかできないことを探し全力で取り組んでください。私は、もっと勉強すればよかったなと後悔しています。勉強と遊びのバランスを意識して頑張ってくださいね
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[インタビューを終えての感想、印象に残ったこと]

・日本文化をあたりまえだと思わないこと。

・英語力がないからといってあきらめる必要はないこと。

まず1点目にあげたことに関してです。日本に住んでいる限り、体に日本の習慣やしきたりなどが体に染み付いてしまっています。しかし、異文化を理解し受け入れるということは、まずそのステレオタイプから抜け出すことが大切です。とても難しいことだと思いますが、JALの職員の方々が実際毎日こなしていることに、改めてすばらしいなと感じました。

2点目ですが、我々は、JALに入社するにはかなりの英語力必要であると予想していましたが、そこまで重要視されてないことには驚きました。グローバル化が進む現在、やはり言語は何カ国語か話せなくてはいけないのではないかと考えていたのです。しかし、インタビューを終えた今、サービス精神や礼儀といった、言語以上に重視していることがあるからこそ、現在のJALの手厚いおもてなしがあるのではとも感じられます。

最後に、お忙しい中インタビューに応じてくださった三浦さん、インタビューを手配してくださったJAL広報部の皆様にC班一同、心よりお礼申し上げます。このインタビューを機に、今後も異文化理解にしっかりと目を向けていきたいと思います。
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【テーマ】地域づくりにかかわる仕事 C班
【取材先】一般財団法人 地域活性化センター
【メンバー】阿部南 加藤眞帆 川島佑果子 長谷川正裕 横田慧 渡邉早貴

みなさん「地域づくり」という情報誌をご存知でしょうか??

私たちは、実際に地域づくりをしている現場ではなく、その情報誌で地域づくりの情報を発信している地域活性センターに取材に行ってきました


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お忙しい中、今回取材を担当して下さった一般財団法人地域活性化センターの阿津川さん(左)と五十嵐さん(右)



地域活性化センターとはどんな所ですか?
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『 センターの主な仕事は大きく分けて3つあります。
1つ目は
全国の地域や個人に対して地域づくりに関する情報を調査、収集して発信すること

2つ目は
人づくり、研修、交流(具体的には地域リーダーの養成)

3つ目は
全国の地域に助成金を出して地域づくりをお手伝いすること

このセンターは会員登録をしている市町村や県から成り立っていて、その会員からお金を頂いて活動しています。
そして、その会員登録をしている市町村へ県へ情報を発信しています。
そのため、情報誌「地域づくり」はそのような市町村向けに発行しています。』

では個人向けではないということですね?
『そんなことはありません、個人向けに発行していないわけではなく個人的に地域づくり団体を運営している方々向けにも作っているつもりです。
また我々職員は地方の役所などから出向してきて、センターに2年間勤めます。そしてセンターで地域づくりについて勉強し、地元に戻って勉強したことを生かしているのです。』

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情報誌「地域づくり」の特集テーマは、どのようにして決めているのですか?
『センターの職員は40人ほどいるのですが、その中に編集委員という役職があり、彼らの話し合いによって決定しています。』


各地域と連携して事業を行うために、どのように連絡を取り合っているのですか?
『基本的には各地域の市役所から県庁を通してここのセンターへ伝わります。しかし、直接市役所から連絡が来たり、個人から連絡が来たりもします。』


地域づくりについての調査、研究の方法について教えていただきたいです。
『全国の各市町村に年ごとに異なったテーマのアンケート調査を行っています。そこから現状を分析するとともに問題解決について考えています。去年は若者定住促進のためにはどうしたらよいかについてで、今年は外国人の観光客の増加にはどうしたらよいかについてアンケートを行いました。』


地域づくりにおいて、全国的に見て共通してみられる課題はありますか?
『どこの地域も一貫して自治体から若者が減っています。そのため世代交代が上手くいっていない地域がとても多いです。』


中学生にもできる地域づくりにはどのようなことがありますか。
『地域のお祭りボランティアに進んで参加してほしいです。お祭りに参加するだけでもとても効果が大きいです。そこで、自分の住んでいる地域の事を良く知り、地域を愛してほしいですね。どこになんの建物があるか、だけではなくてどのような人が住んでいるかというところにまで目を向けてほしいです。』


どうして地域づくりに関わる仕事に就こうと思ったのですか。
阿津川さん
『自分は福井県の越前市役所に公務員として働いていて、その時は自分の住んでいる地域を発展、開発したいとしか考えていませんでしたが、仕事をしていくうちに発展や開発だけがすべてではなく地域の繋がりなども大切であることが分かりました。このことを他の人たちにも広めていきたいと思ったからです。』

五十嵐さん
『私は旅行会社から出向してきているので、地方をより良くすることで観光客を増やし活性化させたいと思ったからです。地域づくりの仕事をすることで地方の役に立てればいいなと思っています。』


「地域づくりに関わる仕事」の魅力を教えてください。
阿津川さん
『地域ごとに活性化の仕方が違うことです。東京であるなら、人が多いことで活性化しているし、北海道では人が少ないけれど豊かな自然によって活性化しています。地域ごとの魅力を発見できることがとても面白いです。』

五十嵐さん
『地域づくりによって日本をよくすることができることですね。この活動によって日本の役に立ちたいです。』


「地域づくりに関わる仕事」に携わる上で大切にしていることは何かありますか?
『色々な情報を取り入れるようにすることです。地域についてであったり、人についてであったりと、自分の情報量を増やすことが本当に大切だと思います。このセンターの職員のみなさんはとても情報量が豊富です。』


地域リーダーの養成とは具体的にどのようなことを行っているのでしょうか?
『地域のリーダーを養成するために、センターでは全国地域リーダー養成塾を開催しています。そこではゼミのように参加者の情報交換や交流会、また講義形式の研修会を行って斬新かつ大胆な発想のできる地域リーダーの養成に取り組んでいます。この塾の卒業生には市役所のトップや県知事、議員になっている方々もいらっしゃいます。』


学校教育と連携している地域づくりの例があったら教えてください。
『例えば、交通安全指導や給食にその地域の野菜を使うなどですかね。最近では修学旅行で農業体験を行う学校もあります。大人になった時にここに住みたいなと思ってほしいですね。』


―取材を終えて―
「地域づくり」という言葉を聞くと、身構えてしまいますが、お祭りに参加するというのはすぐにでもできそうですね。
この夏は、自分の住んでいる地域のお祭りに参加してみます
少しでも、自分の住んでいる地域を好きになって、自分も地域づくりにかかわっていきたいと思いました

★一般財団法人地域活性化HP★
http://www.chiiki-dukuri-hyakka.or.jp/
ここで情報誌「地域づくり」の記事もご覧になれます

【テーマ】障がいを持つ人の雇用にかかわる仕事(B班)
【取材先(会社名)】株式会社スタートトゥデイ  今村 愛様 梶田 悠様
【メンバー】入江一実 遠藤貴章 太田聖也 賈韶蕾 後藤景子 佐藤修平 中村未生

私達B班はZOZOTOWNを運営している株式会社スタートトゥデイの人自(人事)部の今村さんと梶田さんにお話しを伺ってきました。
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スタートトゥデイを取材先に選んだ理由は、経済産業省が「ダイバーシティ経営企業100選」としてこの会社を選んでいたからです。ダイバーシティ経営とは「多様な人材(女性、外国人、高齢者、障がい者等を含む)を活かし、その能力が最大限発揮できる機会を提供することで、イノベーションを生み出し、価値創造につなげている経営」であると経済産業省は定義しています。

そして経済産業省のホームページでは株式会社スタートトゥデイの紹介は以下のように紹介されています。
http://www.meti.go.jp/press/2012/03/20130322001/20130322001-4.pdf

さてここからは取材の話に入っていきます。
スタートトゥデイでは、ファッションショッピングサイト「ZOZOTOWN(ゾゾタウン)」の運営をはじめとして、「ヒト」「コト」「モノ」「スナップ」に特化したSNSサイト「ZOZOPEOPLE(ゾゾピープル)」などの、主にファッションに関わる事業を行っています。最近では、「WEAR(ウェア)」という新サービスをはじめることを発表し、メディアなどから注目を集めています。
また、新しい働き方として、日本では革新的な「6時間労働」の取組みを導入しています。
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質問1:どのような思いを持って働いていますか?
【企業理念】
世界中をカッコよく、世界中に笑顔を。
【経営理念】
いい人をつくる
【事業理念】
つながる人を増やす

スタートトゥデイでは、この3つの理念を大切に事業を行っています。

いい人はいい会社をつくる。
いい会社はいい事業をつくる。
いい事業はいい文化をつくる。
いい文化はいい世界をつくる。

このような考えが私たちにはあるので、事業活動を通じて、世の中に少しでも多くの「いい人」を増やしながら、私たち自身も「いい人」を目指していきたいと考えています。そして、最終的には世界平和の実現ができればと思います。
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写真① 前澤社長の想いが詰まったエントランス

質問2:障がい者雇用はいつごろから取り組まれていますか?
本格的に障がい者雇用について取り組み始めたのは、実は3年ほど前からです。会社が成長してきて社会的責任が大きくなる中で、取り組むべきだと考え、現在は13名の障がい者の方が正社員として働いています。


質問3:障がい者の雇用について、どのように考えていますか?
私たちは、障がい者だからといって他の人と区別するつもりはなく、障害者の方のキャリア支援というよりは、人生支援というふうに考えています。業務の内容などもなるべく区別したくはないのですが、障がいの種類により環境の配慮を行わなくてはならない時もあります。しかし、環境を配慮することはあっても、障がいによって給料などの待遇を区別することはありません。障がい者の方だけでなく、私たちにもできることとできないことがあります。それぞれのできることとできないことを、互いに気づき助け合い、支え合うことが大切なのではないかと思います。「あなたができないことは私が、私ができないことはあなたが」という考えを持って、皆が楽しく安心して働けるように努めています。
私たちは、スタッフはみんな家族のようなものだと考えており、スタッフがそれぞれの個性を発揮でき、みんなが幸せになれるようにと願っています。だから、障がいがあっても他のスタッフと同じようにミスをした際には、その人と向き合い、ミスなどの原因を話し合う事で、その人自身が他のどの場所に行っても活躍できるように人生支援をしています。
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質問4:スタートトゥデイでは、スタッフの交流を深めるためのイベントもいろいろ行われているようですね?
スタートトゥデイでは、シゴトだけではなくスタッフのプライベートの時間も充実するように、6時間労働という働き方を導入したり、社内交流のイベントも多く開催しています。
スタッフみんなで同じ想いを共有したいという考えから行っています。
その際には、聴覚障がいを持つスタッフのために映像に字幕を加えたり、車いすのスタッフのために席順を工夫したりしています。
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質問5:このブログを読んでいる中学生に何か伝えたいことはありますか?
みなさんにはこれから、高校や大学の選択、さらにはシゴトの選択など、さまざまな人生の選択が待ち構えていると思います。そのような人生の分岐点に立った時、周りを気にするよりも、自分の心に素直になる、ということを忘れないようにしてください。自分の選択が正しいのか不安になることもあると思いますが、それが自分にとって幸せな選択肢なのであれば、それで良いと思います。幸せは一人ひとり違うので、自分にとって何がいちばん大切なことなのか、自分の心に素直になり、幸せな選択肢を選んでください。
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― インタビューを終えて ―
今回、私達は株式会社スタートトゥデイに取材をお願いしたところ、初めは「私達の会社では特に『障がい者のキャリア支援』という枠組みで支援をしていない」と回答を頂き、正直少し困惑しました。しかし、取材をしていくうちに、それは家族の様に他の人を思いやりたいという思いが根幹にあり、そのような思いがあるからこそ、「障がい」に対しても区別をしたくないという気持ちがあったからそのような回答だったのだと理解できました。このような考えを持った会社が増えることが、障がい者雇用を考える上で重要であると感じました。
またスタートトゥデイでは、一般的な会社で用いる「人事」をあえて「人自(じんじ)」として名刺に表していました。これは、「人の事」ではなく「自分の事」の様に、捉えたいという会社の思いが表れていました。いい人をつくり、いい人がだんだん増えていき、最終的には世界平和に繋げていきたいという思いが、ここにも表れていました。
株式会社スタートトゥデイの今村様、梶田様、大変お忙しい中、インタビューに応じて下さり本当に有り難うございました!
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【テーマ】障がいを持つ人の雇用に関わる仕事
【取材先】社会福祉法人あひるの会 あかね園 副園長 松尾公平さん
【メンバー】石井 洸大 遠藤 嘉仁 岡 健太郎 西川 貴大 羽田 優


私たち5人は、習志野市にある、あかね園を取材してきました。

 ここは、障がいがあっても地域で働き暮らすために、作業と生活の訓練や実習を重ね、できる限り自立した生活ができるように支援し、利用者が長く安心して豊かに地域で暮らせるよう支えることを目的とした障がい者就業・生活支援センターです。


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                          あかね園の外観


インタビューを受けて下さったのは、副園長の松尾公平さんでした。
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 私たちは、まず初めに、松尾さんに連れられて実際の雇用訓練を行っている現場を見学に行きました。
 
 私たちが現場に入ると、障がい者の方々が真摯に仕事に取り組んでいる様子を見ることができました。

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 ここでは実際に企業から依頼された仕事を一日の決められたノルマを達成するという、実際に企業に就職するのとほぼ変わらない条件で障がい者の方々が働いています。
 
 またここで重視されていることは、どの会社に行っても必要なことである、『相手ときちんと話し合える姿勢、あいさつ、身だしなみ、時間をきちんと守ること』という働くことの基礎の基礎!
 松尾さんは「素直な人材、会社から必要とされる人材を育てることがこの事業の目的です。」とおっしゃっていて、実際に訓練を受けていた障がい者の方々は、私たちを見ると笑顔で挨拶をしてくれたり、みだしなみも整っていて、まじめに仕事をこなしているところを私たちは見ることができました。


あかね園で大事にしていること 

 社会に通用する人材を育てること。
 これは、私たちが見学をしていく最中で何度も松尾さんが触れていたことでした。
 そのために、あかね園では実社会に近い形での職業訓練を行っています。会社に入った後で、『こんなはずじゃなかった』という思いをさせないようにするために、与えられた仕事のノルマが達成できなかった時には残業を課したり、みだしなみが整っていないときは、仕事すらさせない時もあるという話もありました。
   
 さらに、アフターケアを充実させ、企業に就職した後も就職先の会社に何度も顔をだし、何か問題があればすぐに手を打ったりと様々な形で企業、障がい者、その保護者の信頼を得ています。



実社会と差がない訓練とはどのような内容ですか?

 たとえば、仕事が終わって終礼の際、ホワイトボードに議題や要点を書く人がいました。これは、障がい者の中に2人だけ聴覚障害を持つ人がいるためだということ。しかし、手話を使って伝えることもできるのに、どうしてホワイトボードに書いて伝えているのでしょうか?
 実は、あかね園では手話は使ってはいけないことになっています。実際に会社に入ったとき、職場に手話が使える人がいることはほとんどありません。このために、何か伝えようとするならば、筆談で書かせてやるようにしているし、過度な配慮はしないことで実社会との差をなくすためだと考えているからです。
 また、福祉施設といえば、自主制作品(パン作りなど)を行うところが多いですが、あかね園ではやっていません。すべて仕事を実際の企業、会社からもらってきて行うことで、これも実社会に近い形で訓練を行うようにしているようです。



職員の方はどのような方がいますか?

 従業員の数は、正規雇用、非正規雇用でそれぞれ合わせて50人弱にも及びます。
 職員の中には、非常勤として社会経験豊富な方に訓練をお願いしていることがあります。これは例えば60歳以上の方に実際の職場経験を活かして指導してもらうといったことが挙げられます。この取り組みは、NHKでも取り上げられました。

訓練を受ける際の障がい者の費用の負担はどうなっているのか?

 費用の負担は、障がい者の地域の市町村が9割を負担するという制度になっています。なので、障がい者が負担する費用は残りの1割となっていますが、これさえも就職していない障がい者にとっては大きな負担となってしまうため、利用者それぞれの収入に応じて増減されるという結果に落ち着きました。
 また、企業からあかね園がもらってきた仕事をすることで得た収入は、工賃として利用者に支払います。


この仕事についてどのように感じていますか?

 障がいを持っている人でもこんなにやれるんだよというような意識を社会的に芽生えさせたいと考えていて、そこにやりがいを感じています。今では社会的に障がい者について理解はされてきているが、まだまだ認められていません。障がい特性にもよるが、健常者より集中力があり、仕事ができる人はたくさんいます。このことを社会的に認めさせていくのが自分のやらなくてはいけないことで、この仕事を通してみなさんにこのことを知ってもらいたい。とても大変で忙しいが、やりがいは職員全体がみんな感じていることではないでしょうか?





 私たちはあかね園へのインタビューを終えて、普通の福祉施設とはやっていることが全然違う!と感じました。
『福祉→かわいそう→仕事、社会的なマナーやルールなどに関してハードルを下げてあげよう』といった考えは全くなく、むしろ障がいといったハンディキャップを抱えているからこそ、より厳しく実社会との差がないような形で接することで雇用訓練を行うといった事業にはとても感銘を受けました。
 このような事業が広がれば、世間に対する障がい者のイメージや、もちろん雇用に関しても変化していくだろうと感じました。


 以下、あかね園さんのリンクになります。興味がある方はHPのほうもご覧になってください。

http://www.akaneen.com/ 

【テーマ】障害者を持つ人の雇用に関わる仕事
【取材先】特定非営利活動法人ワークス未来千葉 千葉障害者就業支援キャリアセンタ   
    ー  センター長 藤尾 健二さん
【メンバー】 勇恭子 前野美夢 鈴木貴子 末永眞子 駒崎菖

 私たちは「障害を持つ人の雇用にかかわる仕事」というテーマのもとに、千葉市美浜区にある千葉障害者就業支援キャリアセンターを取材しました。まずこのセンターはどういった所なのかということについて説明します。

 このセンターは、障害があるが働きたい!という方の支援や障害者を雇用する立場にある事業主の方への支援を行うセンターです。

「皆が当たり前に障害者を雇用する環境が本来のもの。でもそれができないからこのセンターがあるんです。例えば受け入れる会社に理解がなかったりノウハウがなかったり、働く側にそういう気持ち、準備、スキルがなかったり。そこの穴埋めをするためのセンターなんです。」というお話でした。

では次に、取材の内容や分かったことなどを紹介していきます。

   
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               外から見た建物の様子


質問1 事業主の方への支援を行っているということですが、どのくらいの企業から申し込みがくるのですか? 
「障害者雇用促進法というものに、どのくらいの障害者を企業が雇用しなければならないかということが決められていますが、その対象企業については平成22年に改正があり、就業者数が301人を超える企業から200人を超える企業になりました。
また、平成27年にまた法の改正があり100人を超える企業になります。このことから、
小さい規模の会社も相談にきます。業種はありとあらゆるものです。入ってない業種
を探す方が大変かも。」

☆リンク☆
厚生労働省ホームページ 障害者雇用対策について
http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/shougaishakoyou/index.html


質問2 ここで訓練をした人はどのような職についているのですか?
「いろいろな職に就いています。有名テーマパークののバックヤードとか、空港で行機の機内でのシートのセットとか。大卒の社員と同じ条件で働く人もいます。しかし、能力の限界はあるのでみんなが同じ職に付けるとは限りません。一般の人と同じで、希望と能力の合う合わないはあります。

ただ、障害者だからダメ、と切ることのないよう私たちはサポートしていかなければ
ならないと思っています。
課題としては、正社員としての雇用が少ないことですね。」

質問3 どのような形で訓練を行っているのですか?
「基本は技術を身に付ける訓練ではないので職業習慣(時間管理・身だしなみ、言葉遣い、挨拶等に気を付け集団の中で生活すること・会社のルールに合わせて生活すること)を身に付けます。

技術的なことは他の施設にリファーします。ここが全てじゃなく、それぞれの目的によって利用するものも変わってきます。
    
どういった施設と連携しているのですか?
「ハローワーク、県にも千葉市にもある発達障害者支援センター、特別支援学校、医療機関等ですね。特に医療との関係は切っても切り離せないものです。
連携を取るために、ネットワーク会議を2月に1回開いています。」

質問4 仕事のサポートの他に心のサポート等はどのように行っているのですか? 
「このセンターは職業リハビリテーションの役割をしているので、かなり厳しいです。朝は唱和から始まるんですよ!当然いやだと思う人も出てきますね。そういった話を聞いてあげたりする部分は、他の連携している施設に助けてもらいます。
役割分担が大事なんです。」

質問5 やりがいを感じる時はどのような時ですか? 
障害のある人たちの中には、親が過保護になってしまうなどの理由で、様々な経験をするチャンスを得ることなく一生を過ごす方も多くいます。それは、ある意味不幸な事かもしれない。もっといろいろなことができるチャンスがあったかもしれないのに。
この仕事を通してもっといろいろなことを経験してほしいと思います。やりがいとは言えないかもしれないけど、そういう所なのかも。

質問6 はじめにこのしごとにつこうと思った経験はありますか?
「もともとは北海道でホテルマンをやっていて。食うに食えなくなって転職したのが障害者を雇用することを目的として作られた会社でした。

特例子会社といって、大企業が障害者雇用を進めるために設立する子会社です。
そこで障害者と関わった経験が大きいと思います。」

なぜ働くのか?
 「なぜ障害者が働かなければならないのか、当然食べていけないからということはあります。しかしそれだけでなく、仕事は自分が社会に参加していることを実感するとても重要な場所であり、生きる希望や喜びにつながるんです。障害者に限らず、働ける人は働かなければ堕落してしまうと思います。」
 
 
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訓練風景

この仕事に向いている人は…
私たちは自分の経験した経験値の中から支援していかなくてはならない。いろいろなことを受け入れられることがベースになってきます。だから人生経験豊富な人の方がどんと構えてられる。本人があわてちゃうような人だとやっぱり支援はできない。

障害者のことを分からないからこわくて嫌いって思っちゃう人が多い。分からないから怖い、分からないから嫌い、関わりたくないと思ってしまう人が多いと感じる。それが偏見につながる。

障害者の問題に限らず、今の日本にある様々な偏見を変えていくのは多分教育でしかないんだろうなと。育っていく過程の中でいろいろ学ぶ機会があるとすごくいいと思う。


あとは自分が好きな人は無理かもしれない。黒子なんですよ基本は。大切な役なんだけど前面には絶対に出てこない。一時は感謝されるけどすぐに忘れられる。それでいいんです。そうならなきゃいけない。会社と本人がうまくいっている関係っていうのは僕らがいらない関係なんです。そうならなきゃいけないので、それが寂しいとかいつまでも感謝されたいとかいう人は合わないですね。



★今回の取材を通して一番感じたことは、障害者を当たり前に雇用する環境が整っていればこのような施設は必要ないものなのだということです。障害者にとって良い環境ではないからこそこのような施設がある、ということを知っておかなければなりません。
  
  また、働くことの意味や働き方について、もう一度よく考えてみる必要がありそうです。

☆リンク☆千葉障碍者就業支援キャリアセンターホームページ
http://www.syougaisya-career.or.jp/

【テーマ】障害も持つ人の雇用にかかわる仕事(D班)
【取材先】明朗塾 内藤 晃さん
【メンバー】浦橋美咲 丸谷美樹 伊介麻央 大谷翔太郎 西川拓 土屋尚也 志賀大輝


 私たちは、障害者雇用にかかわる仕事をしていらっしゃる明朗塾の常務理事の内藤晃さんにお話を伺ってきました。
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 初めに分かりやすい例え話をしていただきました。
 いきなりですが、みなさんが飲食店に行く理由はなんですか?おそらく多くの人が、まずは、空腹を満たすために飲食店へ行くと答えると思います。しかし、その理由のためだけに行くのではないと思います。飲食店の例として、回転寿司とマスターがいるようなお寿司屋さんの二つを考えます。回転寿司は一言も話すことなく、食べることができるので、空腹を満たすためにはよいところです。それに比べてマスターがいるお寿司屋さんには、マスターとの会話を楽しむことができたり、宴会場として利用でき、空腹を満たすためだけでなく、その時間を楽しむという良さがあります。
この例え話から言いたいことは、満足を与えることが大切であるということです。


働くことってどういうこと?
 人が働くことは、作業をこなす=仕事と思われがちですが、それだけではないのです。人が働くということは、人に満足や幸福感を与えることを言います。例え話で置き換えると、空腹を満たすことは作業をこなすことで、空腹を満たしつつその時間を楽しませることが、働くことの本質だと思います。また仕事はその職場の人間関係が大切で、怒られるか褒められるかでも影響がでてくるものであります。


どのような障害者雇用をしているのですか?
 障害者雇用は、障害者の仕事能力を調べて、その人に合った仕事をさせるというように考えられていましたが、それは違うと考えます。なぜなら、僕ら(健常者)はそんなことされてきていないから。僕らはあらかじめトレーニングをさせられて採用されるということはないので、そういう考え方はやめています。
 ではどこを重視するかというと、人のために一生懸命働くことができるかを重視しています。


仕事をするうえで、必要なことについてもう少し知るためのエピソードも話していただきました!!
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①松下幸之助さんのお話(旧松下電気、現パナソニック) 
 子供のころ、これからは電気が活躍する時代がやってくると感じた。工場で電球を磨いている人に対して「いい仕事してるね!」と言った。それに対して働いている人は「いいえ、営業をしてまわっている人に比べたら地味な仕事です」と言った。それに対して、「電球は夜の暗い道を一人で歩く人にとっては安心を与えたりといい仕事、大切な役割をになっているんだよ」と答えたり、「電球は暗くなってきたときに勉強をするために必要で、子どもの未来を作っているんだよ」と答えた。
②大分県 ねむり屋のお話(布団屋) 
 現在、布団販売のみで営業しているところはほとんどないにもかかわらず、ねむり屋さんはすごく売れていて、さらに単価も高い。お客さんが「枕ください」と来たとき、社長が「あなたを枕を買いに来たんではない。あなたは今夜の熟睡と明日の爽やかな目覚めを買い求めに来たんですよね」と伝え、2~3千円の予算できたお客さんが2~3万円のものを買っていく。


 以上の二つの話からも、仕事というものは人を満足させることが大切ということが分かります。


 ここで、内藤さんのお仕事について見てみましょう。内藤さんは障害者が就職しようとするときに、その企業と、障害者とをつなぐ仕事(JobCoach)をしていらっしゃいます。


具体的にどんなことをしているの?
 これから面接をして就職しようとしている障害のある方に声掛けをしています。どんな声掛けかというと、さっきの例え話のねむり屋さん(布団屋)は社長が違う。布団はお客さんに素敵な眠りを提供するために進めているんだよ。と声をかける。逆に、布団は重くて、大変だよ。とは声をかけない。つまり、仕事が大変かどうかの声をかけるのではなく、お客さんの幸せを得ることに価値があるということを伝えています。そうすると仕事ががんばれるようになると思います。そうなることを目指しています。

障害者雇用支援が上手くいっていますか?
 人は正直な気持ちを言わないことが多い。例えば、服屋に行って「何かお探しですか」と聞かれ、探しているのに、「いいえ」と答えてしまう人がいると思います。それは何も買わないときに申し訳ない気持ちがあるからです。企業も同じで、障害者を募集していないと答えるところが多い。それは、気に入らなかった時、申し訳ないからである。このような考え方が変わってくると、障害者雇用もうまくいくと思ってます。

 
 障害者雇用支援をしていらっしゃる、明朗塾の内藤さんに取材させていただき、思ったことは、障害を持つ人にかかわる仕事といってもたくさんあるんだなと感じました。障害者を雇用するだけが、障害を持つ人にかかわる仕事ということはなく、障害を持つ人が就職しようとするときに、企業と障害者の仲介としての仕事もすごく大切なことだと分かりました。仲介の人の声掛け次第で、働こうとしている人のやる気を出すことができ、その人の才能を伸ばすきっかけを作ることもできます。その結果、企業にもいい影響を与えます。このようなかかわり方を知ることができ、とてもためになるお話でした。
 本当にありがとうございました。
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【テーマ】新しい働き方について発信する仕事
【取材先】フリーランサー  やつづか えり さん
【メンバー】過足勇良、小池駿輔、野本茉莉、伊藤千尋、鈴木貴之


 近年、価値観やライフスタイルの多様化、女性に対する期待や役割観の変化などに伴って、仕事と生活の調和を図る、ワークライフバランスが注目されています 仕事と、家事や子育て、介護などの両立をするために、これまでにない新しい働き方をしている人も増えてきています。が、まだまだ課題は多く、あらゆる問題から働き方を制限され、自分が働きたい様に働けていない方も多いのが現状です

 そこで、私たちの班では、「新しい働き方について発信する仕事」というテーマで、インターネット等を利用して今までにない働き方について発信している方にお話を伺ってきました

 今回お話を伺ったのは、やつづか えりさんです!
 やつづかさんは、フリーランスのwebクリエイターとして活動するかたわら、「My Desk and Team」というwebマガジンを運営し、新しい働き方をしている人やその組織について取材し、発信しています。

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 自身も「自分が選んだ仕事をしたい」、「自由な働き方をしたい」といった理由から、勤めていた会社から独立し、フリーランスで活動をしているやつづかさんに、いくつかの質問をして、ご意見を伺いました

―webサービスの企画・デザインなどをしています―
やつづかさんのお仕事とは?

 『eラーニング等のwebサービスの企画・デザインをしたり、組織と個人の新しい関係性を実現している事例や新しい働き方を実施している事例を集めたりしています そしてフリーになってもwebにつながりのある仕事をやり続けたい、自分のペース・自分の選んだ仕事をやりたいという思いから、今のような形になりました。集めた事例をどんどん広げていくことができればいいなぁ と考えています

―いろんな人の働き方を多くの人に発信したい―
Webマガジンを始めたきっかけは?

 『兵庫で働いている方が、ブログで自分自身の働き方を書いていたことが一番のきっかけです。で、働き方についてたくさん発信する機会が増えればいろいろと面白いかな、と感じて始めたの

―いろいろあるんだよねぇ
これまで取材してきた会社や個人で、印象に残ったものは?

 『エコネットワークスさんはこれからの新しい働き方の形としてあげられると思います。他と違っている点は、会社と会社員の関係ではないというか…その関係を超えているところかな 一つの例として、まだ制度が整っていない段階で、東京の会社で地元の田舎での勤務が許可されたという事例があったり… 会社は東京でも働く人は全国各地という構図は今後出てくるのかもね
→「個」と「組織」の、強くて新しい結びつきかた http://mydeskteam.com/casefile/396/

今までに取材してきた中でも、印象に残る・おもしろい・活かせる事例は?
 『My Desk and Teamにもいろいろ載っているけど…例えば、ゼロベースソニックガーデンという企業は、効率的な新しい働き方を提案、実践しているの だけど、これは個人が高いスキルを持っていて、なおかつ会社―個人、個人―個人がしっかりとした信頼関係の上で成り立っているからこそ出来ると思う。こういう会社では、人を雇用する際は、はじめからスキルの高い人を採用して、新人を育成していくという過程が少ない環境でのみ成立している。つまり、ゼロベースさんでの自由な働き方には、環境に制限があることや、すぐには活用できないという課題もあり、すぐにほかの企業で取り入れることのできる事例ではないわね
→フリーランスと企業の新しい関係 http://mydeskteam.com/casefile/88/
→好きな場所に暮らし、好きな仕事に打ち込む働き方 http://mydeskteam.com/casefile/203/


 『今までで一番おもしろいと思ったのは、やっぱり札幌に帰ったSEの田名辺さんの話かな 家族とか両親のこともあって、「会社は東京にあるけど北海道に生活の拠点を持ちたい」と思って会社に掛け合ってみたところ、GOサインが出たのでその生活にシフトしたそうです さらに驚くべきは、その生活の方が今までの生活よりうまくいっていることね これは他の企業や一個人が我々でも出来るかもと考えられるから印象に残っています
→子どもにふるさとを 〜会社を辞めないUターン〜 http://mydeskteam.com/casefile/262/

⇒こういったリモート勤務は、単純に会社と組織の関係をより良くするだけでなく、さまざまな問題を解決してくれる事例になりそうですね(・∀・)つ
 『そうね 都市での人口集中問題や、都市部以外の過疎化の問題、子育ての環境選びなどの様々な問題を解決する糸口にもなりそうね

―組織と個人の組み合わせは無限大
新しい働き方を発信するために現在力を入れていることや、これからやりたいことは?

 『私の考えとしては…ゆくゆくは、様々な企業にこれからの働き方について、もっと講演会やワークショップをしていきたいと思っているの そのためにまずは、色々な働き方をしている個人や企業の事例を集めています

 『組織と個人の組み合わせは無限だと思うの 例えば、ある企業がAさんにはぴったりだけど、Bさんにはそうでないときもあると思うのね その場合、「Bさんとその企業の関係を良くするにはどうしたら良いか」を考えたり、どういう制度があれば良いのか、どういう関係づくりが必要か、良い人材に長く続けてもらうためには、といったことを、現在している事例探しから見つけていきたいと考えています


―新しい働き方の実現―
いろいろと取材してきた方々にから見える共通点は?

 『うーんまず1つは、その人とその人が属する組織に信頼関係がしっかりと出来ている点、
2つ目は、その仕事を通じてどうしても実現したいことを持っている、そんな信念を持って仕事に取り組んでいる点かな

今のキャリア教育に必要だと思われることは?
 『仕事でもなんでも、なにかひとつのことにチームで取り組む時は、メンバーそれぞれに役割を分担する必要があります でも、リーダーとしてチームをまとめる人、リーダーをサポートする人、裏方に徹する人など、その役割は人によって得意不得意がある。なにかひとつの作業に複数人で取り組むことで、チームで仕事をするうえで自分がどんなポジションに向いているのかを知ることができれば、どんな会社にはいったとしても、その経験が生かされると思うの そんな風に、単なるお仕事体験ではなくて、その仕事や課題を通じて、自分が組織の中で働けるポジションの能力を極めたり、そのポジションを増やしたりすることが、キャリア教育でできるといいよね

―最後に―
この記事を読んでくれている中学生にメッセージをお願いします(⌒-⌒)

 『現在、仕事の内容はどんどん変化しています 今はない仕事が未来にはあるかもしれないし、逆に今ある仕事がなくなっているかもしれません ですが、どんな職業にも自分の得意なことや、好きなことが活かせる部分があるので、今は好きなことや得意なことをどんどん伸ばしていってください 
 そして、これからは自分と会社の関係だけでなく、家族や地域などとの関わりの中で働き方を工夫することができる時代になると思います いろいろな働き方を考えてみることや、実際にいろいろな働き方をしている例にできるだけ多く触れることも大事なことだと思います


 やつづかさんには、お忙しい中時間を割いて丁寧に取材に対応していただきました
 おかげさまで和やかな雰囲気のなか、楽しくお話することができました(インタビュアーの男子学生2人がデレ気味だったのは内緒の方向で笑)
 貴重なお話、どうもありがとうございましたヾ(=^▽^=)ノ

組織人の新しい働き方、暮らし方を紹介するウェブマガジン「My Desk and Team」
http://mydeskteam.com/

【テーマ】新しい働き方について発信する仕事(B班)
【取材先】NTTコミュニケーションズ 安井さん
【メンバー】國吉郁恵 齋藤仁美 松尾歩 福地健太 小澤成彦 長瀬正和


「通信サービス」という言葉を聞いて、皆さんはどんなことを思い浮かべますか?
以前は“IT(Information Technology:情報技術)”と呼ばれていたものが、現在は“ICT(Information and Communication Technology:情報通信技術)と呼ばれていることは知っていますか?
身近になったインターネット等の手段は、情報を取り入れるだけでなく、その上で人と人との様々なやり取りが行われているまでに発展しているのです。


〜コンピュータ等を用いて一方的に情報を得るようなこれまでの方法だけでなく、
ウェブ上でコミュニケーションを活発に取り合い、人と人・様々な人の夢を繋げていく〜


今回は、このような新たな取り組みを行っているNTTコミュニケーションズへ取材に行ってきました!
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【今回取材を担当してくださった、NTTコミュニケーションズ株式会社第一営業本部 ダイレクトマーケティング部門 第二営業担当の安井さん(右)と伊澤さん(左)】


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【取材中の様子】



〈NTTコミュニケーションズは、〉
NTT(日本電信電話株式会社)の下には、NTT東日本やNTT西日本、NTTドコモ等地域の通信に特化した会社・携帯電話等移動通信に特化した会社等様々な事業会社がありますが、
その中でも、国内長距離、国際通信事業に加え、インターネットサービスやICTソリューションをグローバルに提供している会社です。

現在、主に中小企業や個人で仕事をしている方へ、通信サービスの良さをよく共感し理解してもらうために行っているプロジェクトがあります。

それが「Think Workプロジェクト」!! http://thinkwork.jp/

コワーキングスペース(事務所・会議室・打ち合わせ室などを共有して行うことのできる場所)・ノマドワーカー(決まった仕事場ではなく様々な場所で働く人々)とタイアップし、NTTコミュニケーションズの様々なサービスを連携し利用してもらい、その生の感想を伺うことで、新しい働き方にふさわしい通信サービスのヒントを得るプロジェクトなのです。

現在、東京都目黒区にあるコワーキングスペース「みどり荘」と協力してプロジェクトを進めています。
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【みどり荘の外観】



「みどり荘」は働くための空間のみを貸し出すタイプの一般的な「シェアオフィス」とは違い、オフィスの壁が取り払われていることが特徴であり、ミュージシャン、イラストレーター、飲食店経営、エンジニアなど様々な事業主同士が交流しています。。
それをきっかけに新たな発想が生み出され、イベントやコラボを行っていくような、新しい働き方を実験、創造する「コワーキングスペース」なのです。
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【みどり荘での活動の様子】



そうしたみどり荘で働く方々の日常をブログにアップし、具体的な新しい働き方のありかたや、通信サービスを使うことで仕事にどんなメリットがあるのかをイメージできるようにしています。そして、サービスに対する意見等は特設ブログや FacebookやTwitter、LINEの公式アカウントを通して発信しているのです。
事業主側はNTTコミュニケーションズのサービスを使って働き方のさらなる効率化・有効化を図るとができ、NTTコミュニケーションズ側は実際にサービスを使った事業主から意見・改善案をもらいサービスを改善する、こういった形で互いにより良いものを創っていく関係を築いています。
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【サービスの説明を受けるみどり荘のメンバー】



このような取り組みを通して、「Think Workプロジェクト」では、働く人、一人ひとりのワークスタイルを支えるパートナーであることを目指しています。

Think Work with MIDORI.so
NTTCommunication特設ブログサイト「Think Work with MIDORI.so」
一度ご覧になってみてください!

【テーマ】~メディアを活用して地域をつくる~
【取材先】(株)オニオン新聞社
【メンバー】地域づくりにかかわる仕事(A班) 泉川、太田、上村、児玉、三浦

私たちは、メディアを利用して地域づくりをしていらっしゃる、(株)オニオン新聞社の副社長、佐野寿さんに取材をしてきました。
オニオン新聞社 Top

・なぜ地域活性のために、新聞というメディアを使おうと考えたのでしょうか。

身近でより多くの人に目にしてもらえる新聞というメディアを通して、いろいろな人に地域の情報を伝えることを目指しています。現在は、新聞だけでなく、インターネット(SNS、サイト)も使ってさまざまな情報を伝えています。
ではどうして、情報を伝えることが、地域活性につながるのかというと、第一に、地域活性につながる活動により多くの人に参加してもらい、人を集める必要があります。人を集めるためには、地域の情報をより多くの人に知ってもらう必要があります。そこで、地域活性の根幹として、より多くの人に情報を発信することが必要なのです。多くの人たちに地域のお店やイベント、食材などを紹介すると、お店に来てくれる人も多くなり、その結果地域に人が集まって地域活性につながります。

・地域活性のために、具体的にどのような活動をしていらっしゃるのでしょうか。

大きく分けて2つあります。
1つ目は、メディア事業として地域のお店や企業の紹介を広告として載せています。お店や企業は、広告によって集客やお店の売り上げにつながり、会社ではそのお手伝いをしています。
新聞にも種類があって、オニオン新聞社では読者層に合わせて、異なる3つの新聞を発行しています。これらの新聞は、読者層に応じて、記事の内容や文章の書き方、デザインなどを変えています。

(下の写真は、主婦や家庭向けの「オニオンニュース」、主に若い世代向けの「オニオンクーポン」、消費意欲の高い方向けに日本経済新聞の折込として「オニオンエクスプレス」です)
新聞写真 回転済み

さらに、webサイトを作っていないお店に直接訪問して、webサイトを作るお手伝いをしています。

2つ目は、プロデュース事業を行っています。
地域のイベントプロデュースと、ライフステーションオニオンというプロジェクトを主に行っています。
地域のイベントプロデュースでは、イベントの企画や運営等のサポートサービスを行っています。
ライフステーションオニオンというのは、稲毛区のファミールハイツという団地活性化のプロジェクトです。ここは子どもが独立した高齢者の世帯が多く、公共交通機関も不便で買い物しづらい方が多くなっています。
そのため、団地のすぐ近くに買い物ができるスーパーを作ったり、地域の集まりのためのカフェを開いたりしています。
カフェ

最近、その近くにまた新しく若い世代の方が多く住むようになり、そこに住む子どもたちが遊ぶスペースやママ友の交流の場としてキッズスペースを開いています。また、お年寄りもお茶やお買い物を楽しみながら、子どもたちが遊ぶ様子を見ることができます。
キッズスペース

ほかにも「ソーシャルインキュベーションラボ」という、貸し会議室を無料で提供しています。そこは、地域の社会企業家などが多く利用しています。

・今後考えている企画などを教えていただけますか。

現在、運営しているライフステーションオニオンを中心に、近隣の方たち向けの新たなサービスを企画しています。
たとえば、ご高齢の方向けに家事代行サービスや買い物商品のデリバリー、ひいては配食サービスなど、この地域は住みやすいと思っていただけるような、そんなビジネスモデルです。そして、千葉を地域活性化の成功・先行モデルとしていきたいと思っています。

・(中学生向けに)読者に、新聞や記事に興味を持ってもらうために、どのようなことに注意すればよいのでしょうか。

学校では、校内新聞や地域新聞という形で新聞に接することがあるかもしれません。自分が記事を作っていると、自分の思いが思わず強くなってしまって、本当に読者が必要としていることを見落としてしまうこともあります。なので、一度読者(友達や先生、ご家族)に読んでもらったりして、読者の目線で書いていくと良いと思います。その中で、自分らしい切り口を見つけられたらとても良いと思います。
その新聞のコンセプト(伝えたいこと)に合わせて文章の書き方やデザインを考えていき、読者にとって見やすいように、読みやすいようにしていくことで、良い新聞が出来上がると思います。

・佐野さんご自身について、今のお仕事と生活に至るまでの経緯や、転職等をしたときの思いを、人生転機グラフ(どのような人生を歩んできたのかを振り返り、年齢に沿って、それぞれの時期の気持ちの浮き沈みをグラフで表現するもの)という形で教えてください。

人生転機グラフ 完成版pic


※今までの人生を通して、いつ、どんなときでも、仕事と私生活とはしっかり分けていたそうです。たとえば、3か月に1回の休みのときは、思いっきりやりたいことをやり、その日の計画を立てるのも楽しみにしていたとのことです。また、仕事自体も楽しいとのことですが、私生活も、仕事とは区別して、趣味などで充実して楽しんでいるそうです。

・中学生に向けて、アドバイスやメッセージをお願いします。

どんな仕事にでも良い点があります。始めて就職した、会社Aでは、指導などがとても厳しく、苦しい中でも人との関わり方などいろいろなことを徹底的に教わりました。この当時は苦しかったのですが、その苦しかった経験や、この時に徹底的に教えていただいたことは今でも生きていて、今の自分の土台となっています。教えてくださったことには今でも感謝しています。
また、どのようなことでも将来何かの役にたつ可能性があるので、いろいろな経験をしていくことが重要だと思います。ちなみに、私は昔から歴史が好きで、このことで取引先の方と話が合ったということもあります。人生何が役にたつのかはわかりません。
「社会人になると、責任を持たないといけない」とよく言われますが、責任と同時に自分の「できること」も増えます。自分の好きなこと、やりたいことを見つけるために、いろいろな経験をしてみてください。


以上、(株)オニオン新聞社の副社長、佐野寿さんからお話をお聞きしました。

こちらは、佐野さんの働くオニオン新聞社のホームページです。事業内容等、詳しく書いてありますので、興味があったらクリックしてみてください。
オニオン新聞社 HP



お話を聞いて、地域復興には多くの人の力が必要で、多くの人への周知が求められているというお話から、メディアやイベントなどは大きな地位を占めるようになっているということがよくわかりました。地域から情報を発信し、多くの人が情報を得ること、イベントなどを通して1つの空間にいろいろな人が集まる機会を作ることで、地域活性と同時に人の輪やつながりが広がることが、素敵だと思いました。人とのつながりやコミュニケーションが希薄になってしまっている今、地域活性を通じて、自分たちの地域だけではなく生活も、より豊かに彩られるのだろうと思いました。また、このブログを書く際に、記事や文章を書くことの大変さを改めて痛感しました。

楽しく、とても勉強になるお話で、時間があっという間に過ぎてしまいました。

佐野さんを始め、オニオン新聞社の皆さま、どうもありがとうございました。

【テーマ】地域づくりにかかわる仕事(B班)
【取材先】(株)ぶれきめら
【メンバー】鬼澤 敦子 石田 有記 荻無里 広造 冨田 千晴 小澤 鷹弥


みなさんは、「地域づくり」という仕事を知っていますか?
大都会のど真ん中でも、田んぼが広がる郊外でも、どこにでもあるお仕事です。
みなさんの町にも、きっとあると思います。

「地域づくり」、それは、地元のことをもっと知ってもらおう、地元をもっと盛り上げよう!
という、郷土愛に根差したお仕事なのです。

町の名産や催しを知ってもらい、どんどん広めていくことで、町全体がどんどん盛り上がって、
その地域で雇用が生まれて、人の流れが生まれ、町が活性化していく。

この大きな人の流れの、小さなきっかけを生み出す仕事、それが「地域づくり」のお仕事です。
佐原の駅舎


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水運の町 佐原―日本のベネチア

水運の町として古くから栄えた「佐原」。この町を日本の「ベネチア」と呼ぶ人もいます。
そんな町のシンボルとも言える「船」を通して地域づくりにかかわる「株式会社 ぶれきめら」の事業部長 齋藤謙二さんから、地域づくりという仕事の魅力ややりがいについて、お話をうかがいました。

「ぶれきめら」さんは、千葉県佐原の地域づくりに取り組んでいます。
船での町なみ観光を始め、無料休憩所や駐車場の運営地域の名産を活かした日本料理やデザートを提供しています。

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「地域の活性化のために、みんなで力を合わせて」

社名の「ぶれきめら」に込められた想いを、お聞かせください
齊藤さん


「ぶれきめら」の「ぶれ」はギリシャ語の「青」で、水郷さわらの水の青、空の青を表しています。「きめら」は、ギリシャ神話に出てくる伝説上の生き物で、会社のトレードマークにもなっています。頭は獅子、胴は山羊、尾は蛇と、別々な動物が一つになっているところから、それぞれの異なる能力・才能を集めて、より優れた「まちおこし」の仕事を成し遂げようという願いから名づけました。
 佐原には、10団体以上のNPO他、各団体が存在しています。それぞれの団体が、各々のポジションで佐原を活性化するために頑張っているんです。地域の活性化のために、みんなで力を合わせてやっていこう、というわけですね。

「配当は『佐原の賑わい』」

会社を立ち上げたきっかけを教えてください。

 ぶれきめらの設立は、今から10年前、平成14年です。現在の代表取締役である木内が、発起人になって会社の設立資金の出資を募りました。当社の設立の第一の目的は「町おこし」ですので、出資に対する配当は「佐原の賑わいです」と呼びかけました。そこに意気を感じてくださった有志の方々の出資に支えられ、当社は誕生しました。
 もともと佐原は水運で栄えた町なんですが、時代の流れで水運は廃れていってしまいました。佐原を流れる小野川も、整備されずに泥川のようになっていました。そこで、NPO「小野川と佐原の町なみを考える会」が中心となって、川の整備を進めました。その整備を受け、当社では、平成15年から、「船」による観光事業を立ち上げたというわけです。

「お客さんが、たった一人でも『佐原に来てよかった。』と思ってもらえるように」

東日本大震災から、わずか1週間で観光船の運航を再開されたと聞きました。


 平成21年度が、今までで一番お客さんが多かったですね。船での観光を目当てに来ていただいていました。ちょうど事業が軌道に乗ってきた時に、平成23年の3月11日、東日本大震災がありました。
 船を出す小野川は、利根川に通じている下流の方では、液状化が起こってしまいました。町おこしという状況ではありませんでしたが、一週間後の3月19日には運行コースの安全を確認し再開いたしました。地震後訪れてくださったお客さんが、もしたった一人でも『佐原は、何もないじゃないか。なんだ、この、がれきの山は!』と不快な気持ちになってしまわれないよう、舟と人を配備して待っていました。
 地震の直後はお客さんゼロという日が何日も続いて、平成22年度は前年度比で半分以下になってしまいましたが、今は21年度の75%くらいまで戻ってきた感じですね。ここ最近は、外国の方の声もちらほら聞くようになりました。

「町なみをゆっくり楽しんでもらう」「地元で作った醤油で、ジェラートを提供」
しょうゆジェラートアイス


佐原の見どころはなんですか

 今は、往復30分ほどの町なみコースがおすすめです。町なみをゆっくり楽しんでもらうのがコンセプトですね。船着き場のそばには、日本料理「佐原千よ福」があります。ここは当初ぶれきめらの直営だったのですが、平成20年度から業務委託をしています。食事関係はプロにお任せした方がよいだろう、という判断です。
 また、佐原では店舗に古民家を利用したフレンチやイタリアンのお店も増えてきました。テレビなどでも取り上げられましたね。
 お休み処では名物のしょうゆジェラートアイスを提供しています。しょうゆって野田や銚子のイメージが強いかもしれませんが、昔は佐原も醤油の醸造が盛んだったんですね。そこで、地元で作った醤油で、ジェラートを提供しているんです。珍しさもあって、一番人気ですね。森田知事にもPRしてもらいました。他にも、季節のいちごやブルーベリーを用いたジェラートや、ショウガの薬膳ジェラートがありますよ。



お江戸見たけりゃ佐原へござれ、佐原本町江戸まさり


佐原の素敵な町なみは「小江戸」とも呼ばれますね。

ええ、昔は東北や銚子から佐原を経由して、江戸まで米を運んだりしていました。そうして栄えていたので、小江戸と呼ばれていました。今の町なみはその頃から残るものなんですよ。香取市では、佐原と埼玉県の川越市、栃木県栃木市とで小江戸サミットを設立して、町づくりを進めています。平成23年には、それこそ本当に江戸、東京でイベントをやったりもしていましたよ。
船頭さんと小野川



「佐原の偉人、伊能忠敬が没後200年になるんです。」


今後、佐原の地域活性化のために何かプランがあるんですか?

 2018年に、佐原で育った偉人、伊能忠敬が没後200年になるんです。それにあわせて、伊能忠敬の大河ドラマ化を呼びかけています。当社の役員も数名、呼びかけに参加しています。
 

「船を棹で漕ぐことができる若い人は、ほとんどいません。」

今、もっとも心配なことはなんですか

 なんといっても後継者問題ですね。現在は舟をメインで行っていますが、船頭さんも平均年齢が74歳になっているんです。しかし、今は舟を棹で漕ぐことができる若い人は、ほとんどいません。今の船頭さんたちは、みんな子どものころから、稲を積んだり遊びに使ったり、日常的に舟を使っていましたからね。通常の観光はエンジンを使っていますが、やはり結婚式の嫁入り舟およびイベントなどには、古式ゆかしい棹漕ぎを用いたいです。
 船頭さんの後継者問題に、何かいい方法はないかと思案しています。


「地元に興味をもって、地元を好きになって自分なりのやりがいを見出す」

このお仕事の面白さややりがいを、一言で表すとどうですか?

 普通の企業と違って、「町づくり」の仕事は半分ボランティア精神がなければ務まりません。地元に興味をもって、地元を好きになって、ボランティア的な精神で行動する中で自分なりのやりがいを見出すということですかね。
 「町おこし」という仕事は、地元愛を育てるだけでは十分ではありません。いくら郷土愛があっても、地元で働く場所がなければ若い人は外に出て行ってしまいます。観光という産業を通して、地域を活性化して若者が働く場所を作るということも大事ですし、そこに当社のやりがいもあります。


「お客さんに『佐原に来てよかった』『また来たいね』と言っていただけること」

この仕事をやっててよかった、と思うのはどんな時ですか?



 お客さんに『佐原に来てよかった』『また来たいね』と言っていただけることが、やっぱり一番うれしいですね。近くに住む方に、『佐原ってすぐ近くにこんないいところあったんだね』って言っていただいた時も、うれしかったです。


今日はどうもありがとうございました。
齊藤さんと船頭さん


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「ぶれきめら」さんの活動を通して

 佐原の美しい町なみには、とてもわくわくしました。こんな風に地域に興味をもつことが、「地域づくり」の第一歩になるのでしょう。
 日々の暮らしのなかで、学校の授業の中で、ちょっと外食に出たときに・・・・・・。ちょっとしたことから、地元愛をもってみませんか。自分の町、いい町だなって思ってみませんか。
 人と人をつなぐ「地域づくり」の仕事は、そこの住人みんなが顧客であり、従業員であり、演出家であり、広告塔なんです。とても素敵な仕事だと感じました。

インタビューに答えてくださった事業部長の齋藤さん、誠にありがとうございました。

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「ぶれきめら」さんと佐原の町に興味をもった方は・・・・・・

今回インタビューを受けてくださった「ぶれきめら」さんのHPです。
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ぶれきめらさんの活動について、もっと詳しく知りたい方はHPをご覧ください!

昨年度(2012年度)の「新世代職業ガイド」はこちらです。
http://blog.livedoor.jp/cechiba/

受講生のみなさんは記事執筆の参考にしてください。
(TA)

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