異文化B班
【テーマ】異文化と関わる仕事
【取材先】森山たつを さん(海外就職研究家)
【メンバー】福島嵐 松本美保 ギミルハリパラサド 森川大地


私達の班は日本人が海外で働くことに詳しい森山たつをさんから、多様性のある働き方についてお話を伺いました!

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海外で働くなんて、エリート!という印象がありますが、森山さんは「以前は存在してもアクセスしにくかったけれど、今では機会は増えており、普通のサラリーマンに海外で就職するという選択肢もありますよということを示したい」と話してくれました。

さて、海外での仕事というのは、どのようなものなのでしょうか?
それを知るためのキーワードは、「日本人の特質」と「専門性」!
では特に専門性のない日本人をイメージしてみましょう。
日本語が話せて、真面目な気質を持っています。寿司という食べ物がどのようなものかよく理解しています・・・このような人には、コールセンターや日本食レストランで働くという道があります。しかし他の仕事はあまりないそうです。
日本で数年働き、業務についての知識がある人は、その経験を生かして働ける可能性があります。売りたいものがある現地企業と取引をしたい日本企業の間に入って業務を円滑に進める役割を担うなどの仕事があるそうです。

また、「日本人の特質」については、日本にいると当たり前のこととですが、時間を守る、品質管理やお金の管理などで規律を守るという気質は海外に出ると一つの価値になる!ということも教えて頂きました。

業務や業界についての知識・経験などの「専門性」もその人についての大きな価値です。
そのため森山さんは、新卒ではなく、3年ほどは日本で働くことを勧めているそうです。
加えて、英語や現地語の語学力があればなお良しです!!

なぜ専門性が必要かというと、ビザの下りないという問題があります。
森山さんが今東南アジアを中心に活動している理由は、東南アジアがどんどん経済成長しているから。
他の先進国は経済の停滞で、外国人向けの仕事はなかなかありません
それは自国民の雇用を守るため、ビザの発行が厳しいためです。
森山さんは、今後はインドがどんどん経済発展する。経済成長している国と取引したい企業は多くなるが、現地の文化を知り、仲介してくれるような人はなかなかいない。そのような国で、貴重な存在の人間になれたら仕事の幅が広がる・・・
だから「人と違うことをしよう!」と言っていました!


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文化の違いに悩むことも
例えば製造業では、時間を守らない現地の労働者と、納期に厳しい日本の取引先との板挟みになって大変な思いをすることも・・・
また、宗教をとても大切にする文化の国では、お祈りの時間は仕事を中断せざるを得ず、はじめは驚くことも多いそうです。


お給料が違うのでは
日本で働いていると、勤続するにつれて給与も高くなることが予想できます。
日本で多くの給与を受け取っている人が海外転職する場合は下がる可能性があるのは当然です。
逆に今はあまり多くの給与を受け取っていない若い人にとっては、給与が上がる可能性はあります。
そのため若いうちの方が外に出やすいと言えるでしょう。

働きすぎの日本人
もりぞおさんは日本人の働き方を野球に例えて話してくれました。
「野球は9回まであります。日本の働き方も当然9回まであるという設定で仕事がまわっています。7回くらいで終わりましょ、ということにしてその中で仕事も設定できればいいのですが・・・」
日本人の長時間労働については授業でも何度も出てきています。
加えて、「これから人口も減って行くにも関わらず時間を短くするのは実践しにくいのでは。もっと経済が上向きの時代に、働き方を変えられていけたら良かったけれど、これは難しい問題」と森山さんは話してくれました。
また、ワークライフバランスについては、ワークとライフの両立ではなく、ライフの中の様々な要素としてのワークであるという社会になればもっと良いという話がありました。
それぞれの要素がどれだけの割合を占めるかはその時期によって異なるため、その割合を柔軟に調節できるような社会にできればと思います。
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大学の改革
最後に、教育の話をされてもらいました。千葉大学もグローバル人材育成に力を入れているように、国がお金を出して多くの大学で取り組みがなされています。
今はまだ駆け出しの時期ですが、英語で単位を習得する過程を整備したり、職員の英語レベルを向上させる等、大学も改革が必要です。

しかし、本当にグローバル人材を育てるならば、小さい頃から英語に触れ、遅くとも高校生くらいの年齢には海外で学ぶのがよいと森山さんは話します。
また、英語だけでなく、ぜひ小さい子には「いろいろなことをしていいんだよ」と教えてほしいと言っていました。前半にも「人と違うことをしよう!」というメッセージがありましたが、やりたい!面白いと思うことを尊重し、どうやって実現しようかな?というのを考えながら学べる活動を行なってほしいと言っていました。
社会を変えていくのはやはり子どもからです!」というメッセージは私たち教育学の学生へのエールのようでした。

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最後に、多様な働き方について一冊の本を薦めて頂きました。
『未来の働き方を考えよう』ちきりん著
先日発売されたばかりのちきりんさんの新著です。
キャリア教育について考えてみたこの機会に手にとってみようと思います

今回は異文化と関わる仕事というテーマで、海外での仕事の現状や、多様性のある働き方、グローバル人材育成についてなど、幅広くお話を聞かせて頂きました
お話を聞かせてくださった森山たつをさん、本当にありがとうございました!

森山さんのホームページはコチラ!
もりぞお海外就職研究所http://morizo.asia/