【テーマ】障がいを持つ人の雇用に関わる仕事
【取材先】社会福祉法人あひるの会 あかね園 副園長 松尾公平さん
【メンバー】石井 洸大 遠藤 嘉仁 岡 健太郎 西川 貴大 羽田 優


私たち5人は、習志野市にある、あかね園を取材してきました。

 ここは、障がいがあっても地域で働き暮らすために、作業と生活の訓練や実習を重ね、できる限り自立した生活ができるように支援し、利用者が長く安心して豊かに地域で暮らせるよう支えることを目的とした障がい者就業・生活支援センターです。


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                          あかね園の外観


インタビューを受けて下さったのは、副園長の松尾公平さんでした。
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 私たちは、まず初めに、松尾さんに連れられて実際の雇用訓練を行っている現場を見学に行きました。
 
 私たちが現場に入ると、障がい者の方々が真摯に仕事に取り組んでいる様子を見ることができました。

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 ここでは実際に企業から依頼された仕事を一日の決められたノルマを達成するという、実際に企業に就職するのとほぼ変わらない条件で障がい者の方々が働いています。
 
 またここで重視されていることは、どの会社に行っても必要なことである、『相手ときちんと話し合える姿勢、あいさつ、身だしなみ、時間をきちんと守ること』という働くことの基礎の基礎!
 松尾さんは「素直な人材、会社から必要とされる人材を育てることがこの事業の目的です。」とおっしゃっていて、実際に訓練を受けていた障がい者の方々は、私たちを見ると笑顔で挨拶をしてくれたり、みだしなみも整っていて、まじめに仕事をこなしているところを私たちは見ることができました。


あかね園で大事にしていること 

 社会に通用する人材を育てること。
 これは、私たちが見学をしていく最中で何度も松尾さんが触れていたことでした。
 そのために、あかね園では実社会に近い形での職業訓練を行っています。会社に入った後で、『こんなはずじゃなかった』という思いをさせないようにするために、与えられた仕事のノルマが達成できなかった時には残業を課したり、みだしなみが整っていないときは、仕事すらさせない時もあるという話もありました。
   
 さらに、アフターケアを充実させ、企業に就職した後も就職先の会社に何度も顔をだし、何か問題があればすぐに手を打ったりと様々な形で企業、障がい者、その保護者の信頼を得ています。



実社会と差がない訓練とはどのような内容ですか?

 たとえば、仕事が終わって終礼の際、ホワイトボードに議題や要点を書く人がいました。これは、障がい者の中に2人だけ聴覚障害を持つ人がいるためだということ。しかし、手話を使って伝えることもできるのに、どうしてホワイトボードに書いて伝えているのでしょうか?
 実は、あかね園では手話は使ってはいけないことになっています。実際に会社に入ったとき、職場に手話が使える人がいることはほとんどありません。このために、何か伝えようとするならば、筆談で書かせてやるようにしているし、過度な配慮はしないことで実社会との差をなくすためだと考えているからです。
 また、福祉施設といえば、自主制作品(パン作りなど)を行うところが多いですが、あかね園ではやっていません。すべて仕事を実際の企業、会社からもらってきて行うことで、これも実社会に近い形で訓練を行うようにしているようです。



職員の方はどのような方がいますか?

 従業員の数は、正規雇用、非正規雇用でそれぞれ合わせて50人弱にも及びます。
 職員の中には、非常勤として社会経験豊富な方に訓練をお願いしていることがあります。これは例えば60歳以上の方に実際の職場経験を活かして指導してもらうといったことが挙げられます。この取り組みは、NHKでも取り上げられました。

訓練を受ける際の障がい者の費用の負担はどうなっているのか?

 費用の負担は、障がい者の地域の市町村が9割を負担するという制度になっています。なので、障がい者が負担する費用は残りの1割となっていますが、これさえも就職していない障がい者にとっては大きな負担となってしまうため、利用者それぞれの収入に応じて増減されるという結果に落ち着きました。
 また、企業からあかね園がもらってきた仕事をすることで得た収入は、工賃として利用者に支払います。


この仕事についてどのように感じていますか?

 障がいを持っている人でもこんなにやれるんだよというような意識を社会的に芽生えさせたいと考えていて、そこにやりがいを感じています。今では社会的に障がい者について理解はされてきているが、まだまだ認められていません。障がい特性にもよるが、健常者より集中力があり、仕事ができる人はたくさんいます。このことを社会的に認めさせていくのが自分のやらなくてはいけないことで、この仕事を通してみなさんにこのことを知ってもらいたい。とても大変で忙しいが、やりがいは職員全体がみんな感じていることではないでしょうか?





 私たちはあかね園へのインタビューを終えて、普通の福祉施設とはやっていることが全然違う!と感じました。
『福祉→かわいそう→仕事、社会的なマナーやルールなどに関してハードルを下げてあげよう』といった考えは全くなく、むしろ障がいといったハンディキャップを抱えているからこそ、より厳しく実社会との差がないような形で接することで雇用訓練を行うといった事業にはとても感銘を受けました。
 このような事業が広がれば、世間に対する障がい者のイメージや、もちろん雇用に関しても変化していくだろうと感じました。


 以下、あかね園さんのリンクになります。興味がある方はHPのほうもご覧になってください。

http://www.akaneen.com/